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智洋side
昼休みしげといつものように学食へ向かおうとするとAに呼び止められた
「ねぇ、ちょっといい?」
「ん?」
Aの方に近づくと
「お弁当一緒に食べへん?」
そう小声で言われた
「うん」
と小声で答えてしげにAと食べることを伝えて俺はAの待つ屋上へ向かった
「ごめん、待たせた!」
「遅いー、はい!お弁当」
「え、俺に?」
「うん、昨日のお礼?かな」
「そんなんいらんのにー!うわ、うまそー!!!」
お弁当から漂う香り
いかにも新米ママのようなおかず
手作り感が溢れていて
朝早くから頑張って作ってくれたんやなって
凄く嬉しかった
「うっまっ!!!」
「んふふ、良かった!」
「またお弁当上手くなった?」
「え?そんなことないで」
「いや、上手くなってるよ!覚えてる?小学生の頃」
「覚えてるよ(笑)あれは忘れられへんもん」
「俺もや(笑)」
初めてAが俺にお弁当を作ってくれたのは小学1年生の頃
俺が入院していた病院にピクニックをしようと言って作ってくれた
初めて作った卵焼き
初めて作ったタコさんウインナー
ひとつひとつが今思えばいびつで可愛らしくて
初めて作ってくれた大切なお弁当味はぶっちゃけイマイチだったけど本当に美味しかった
嬉しかった
「そん時に比べちゃほんま上手くなったなA」
「そりゃそやわ!何年経ってると思ってんねん」
「そか(笑)じゃあまた作ってな!」
「うん!!」
それから不定期に作ってきてくれるお弁当
俺が食べたいと言ったものを作ってきてくれて
いつも美味しかった
ほんま最高の彼女やわA
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作者名:raf. | 作成日時:2017年11月16日 21時