煽りスキルの高いオタクと科学者 ページ40
「……スイカ、もう大丈夫。毒ガスは下に沈むからね」
こくこくと頷くスイカは、可哀想に震えている。どれほど彼女が怖かったか。私はスイカにきちんとガスマスクを抑えておくように言うと、すたりと地面に着地した。
うんうん、流石私。ガスマスクはこの上なくきちんと機能していた。
「毒ガスだと……ヒョロガリテメーが作ったのか!?」
司軍のAさん(名前を知らない)がみっともなく木の幹にしがみつきながら千空に向かって吼えた。
無論そんなわけは無いのだが、そんなことを奴さんが知るわけもない。私と千空は顔を見合わせてニヤリと笑った。
ハッタリでビビってくれるなら重畳ってもんである。
「……あ゙ー、もちのろん。近代兵器ズラ〜〜〜リの科学王国様にカミカゼ特攻するバカがいるかよ」
「原始の人バカにしてる割に、その原始の人に適わなかった人も多かったしねえ?司も耄碌しちゃったのかもねえ」
「んだとちょっと可愛いからって調子乗りやがって!」
「ははは、そのちょっと可愛いだけの女に負けた気分どうよ?ねえどんな気持ち?」
煽りスキルは我々そこそこ高いのである。歯を食いしばりながらも毒ガスを恐れて降りてこられない司軍の人々、実に愉快です。
「その泣きっ面引っ提げてさ、司ママにでも泣きついてくりゃいいんじゃない?」
「あ゙ぁ゙全くその通りだな。毒ガスが流れて消えるまで、その樹の上で100億秒ほどチンタラ待ってからな!」
行くぞ、と千空が言ったので、私はスイカを抱え直してその後を着いて行った。
しかし、また課題ができてしまった。向こうに生存バレしちゃった訳だし、対司軍の為の対応と、あとは……ひとまず居住区の復興かな。
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八つ橋 - こんにちは、夢小説面白かったです、お身体にお気をつけて下さい。 (2021年1月23日 11時) (レス) id: ed846143d9 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 伊織さん» オワワワ〜〜〜〜〜ありがとうございます作者冥利に尽きます!!がんばります!! (2021年1月22日 15時) (レス) id: 2cc2b8ed9f (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - この頃2期が始まったのでアニメを見ていたら再熱してしまい、なにかないかと小説を探していたら、ぱる様の小説に辿り着きました。とても面白い小説をありがとうございます、これからも更新等頑張ってください! (2021年1月22日 14時) (レス) id: ac38e2066c (このIDを非表示/違反報告)
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