サクラちゃん式オタク ページ38
完っっっ璧に忘れてた!
私は村に向かって走る。火はもう広がり始めていて、黒煙がもうもうと上がる。
氷月の腹心の女の子が密かに集落に潜入し、火をつけたのだ。名前なんだっけな〜〜!思い出せないな〜〜!!
しかしまずい非常にまずい。今現在、山おろしの風がどんどこ吹き荒んでるこの状況。風で煽られて火の粉が飛んで、耐火加工なんかしてるわけない木と草の家は容易に燃える!
「子供達を科学倉庫へ!荷物も家も捨てろ!急いで逃げるんだ!」
私は声を張る。恐怖で足がもつれた子供を二人ほど抱き抱え、踵を返した時だった。
「お姉ちゃん、危ない!」
えっ何ィ!?子供に指摘されてばっと後ろを向けば、なんと倒れた木材がこっちに倒れてきてるじゃないですかやめてくださいそういうの!
回避しようと踏み込んだところで、ぐんと頭が引き戻される。今度はなんだよ!と見てみれば、その木材が髪を引っ掛けて倒れていた。やめろよほんとにそういうの!
私は咄嗟に子供達を近辺の大人達に殆ど投げ渡すみたいにしてパスし、ぐいと頭を引いた。抜けそうにない。なんなら木材も燃え始めている。起き上がれない以上木材をどかすこともできない。
「おい、あんた……!」
「あー大丈夫だからはよ行け、子供優先!」
心配して立ち止まる大人達を促しながら、私はポニーテールを引っ掴んだ。刀を引き抜いて、髪紐の付近に刀身を宛てがい、一息に引いた。
ざくり、と音がして、頭が軽くなる。
私はさっと起き上がり刀を納め、村から人がいなくなっていることを確認してから、私は科学倉庫方面に走った。
とりあえずまずは被害を最小限に、村人の怪我など見なくては。怪我の程度や種類に限らず、医療は最初の処置が命なのだ。
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八つ橋 - こんにちは、夢小説面白かったです、お身体にお気をつけて下さい。 (2021年1月23日 11時) (レス) id: ed846143d9 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 伊織さん» オワワワ〜〜〜〜〜ありがとうございます作者冥利に尽きます!!がんばります!! (2021年1月22日 15時) (レス) id: 2cc2b8ed9f (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - この頃2期が始まったのでアニメを見ていたら再熱してしまい、なにかないかと小説を探していたら、ぱる様の小説に辿り着きました。とても面白い小説をありがとうございます、これからも更新等頑張ってください! (2021年1月22日 14時) (レス) id: ac38e2066c (このIDを非表示/違反報告)
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