オタクは冷静である ページ33
金狼はまだ生きている。橋から落下はしかけたが、男の足首を掴んで何とかぶら下がっている。あれが氷月か。
橋の上で対槍か〜、キツイな！刀があっても無理かもしれない。ていうか氷月って管槍の天才じゃなかったっけか？
腐っても三千七百年前、武道をほぼ極めた私である。その道で有名な人の名前は、耳に入ってくるものだ。氷月もその一人だった。師範代によるとトンデモ技巧の管槍使いだとか言って。
「今だ……銀狼。橋を、斬り落とせ」
金狼が、掠れた声でそう言った。銀狼は震える手で、槍先を橋を繋げる縄へと向けた。
コハクが耐えきれず金狼を助けに向かおうとするのを、コクヨウが止める。
「離せ父上！」
「馬鹿者、橋上で槍に適うものか！」
「子供たちのこと考えてよ、斬り落とすしかないでしょ！」
銀狼は、まだ縄を斬らない。
「早く……しろ、銀狼。斬れ、俺はもう助からん」
「……できないよぅ、できるわけないよう、そんなの。金狼が死んじゃうじゃんか、やだよぅ、兄ちゃん……！」
……さあて、これは、どういう対処をしてたかな。
千空は金狼を見捨てられない。千空がその選択をする限り、私はそれを肯定する。
一人の犠牲も出したくないなどゲロ甘い考えではあろうが、それでいい。千空はそうでなくては。
そこまで考えて、ふと思い出した。私は無言で、カセキの爺さんが持っていた吹き竿をひったくると、千空に押し付けた。
「千空」
「……あﾞ〜〜〜〜、下がってろ桐、お前はまだバレてねえんだ」
「はいはい、仰せのままに」
私は一歩、二歩下がり、あちらからは顔の見えない暗がりに入った。
あちらさんがラボ方面にいる限り、薬を取りに行くことも出来ない。お帰り頂けるのを待つしかないだろう。
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八つ橋 - こんにちは、夢小説面白かったです、お身体にお気をつけて下さい。 (2021年1月23日 11時) (
レス) id: ed846143d9 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 伊織さん» ｵﾜﾜﾜ〜〜〜〜〜ありがとうございます作者冥利に尽きます！！がんばります！！ (2021年1月22日 15時) (レス) id: 2cc2b8ed9f (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - この頃2期が始まったのでアニメを見ていたら再熱してしまい、なにかないかと小説を探していたら、ぱる様の小説に辿り着きました。とても面白い小説をありがとうございます、これからも更新等頑張ってください！ (2021年1月22日 14時) (レス) id: ac38e2066c (このIDを非表示/違反報告)
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