オタクは甘言に屈しない ページ20
燃え盛る服に慌てるマグマを、超絶優しくクロムは助けた。つっても股間おもくそぶち抜いて島から水場に落っことすという手口なので、その優しさについてはお察しである。
「ってことは残りの選手は!」
「千空、クロム、銀狼ちゃんだけだね」
「もう味方しかいないんだよ!」
ああ、とコハクは拳を握る。その顔が嬉しそうで、私も嬉しくなる。よかった。ようやく、君の家族を救えそうだ。
「千空科学王国の、完全勝利だ……!」
……さて、そうなると準備をしなくては。ルリの診察にいる物を根こそぎ科学王国から持ち出してくる必要がある。
心音、肺水腫の確認、カルテも作りたいな。あとは薬の説明もしないと……
「あ、桐ちゃん向こう戻るの?俺も着いてこ〜っと」
「ああゲン、お疲れ。いえーい」
「え〜ハイタッチとかいつぶりかな〜、いえーい」
ぺちんと気の抜けたハイタッチを交わし、私とゲンは科学王国へと戻っていく。
「出場者でもない余所者がいると、門番の金狼ちゃん的にあれだろうしね」
「ついでに荷物持ちで手伝ってもらっちゃうかな」
「桐ちゃんみたいな可愛い子の手伝いならいくらでも♡」
ペラペラである。私ははいはい、と軽く流しながら、橋を渡るよう促した。少し進んで、ラボの中を物色する。
「桐ちゃんホント、口説かれ慣れてるよね〜。まあ美人だもんね〜。一体どれだけの男誑かしてきたの?」
「人聞き悪いな?さあ、口説いてきた人はいくらでもいたけど基本一蹴してきたからね」
「容赦ないねジーマーで……」
ゲンがひきつった笑いを浮かべているのが見なくてもわかる。口説かれ慣れてるねえ。そうだろうか。
86人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Dr.STONE」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
八つ橋 - こんにちは、夢小説面白かったです、お身体にお気をつけて下さい。 (2021年1月23日 11時) (レス) id: ed846143d9 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 伊織さん» オワワワ〜〜〜〜〜ありがとうございます作者冥利に尽きます!!がんばります!! (2021年1月22日 15時) (レス) id: 2cc2b8ed9f (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - この頃2期が始まったのでアニメを見ていたら再熱してしまい、なにかないかと小説を探していたら、ぱる様の小説に辿り着きました。とても面白い小説をありがとうございます、これからも更新等頑張ってください! (2021年1月22日 14時) (レス) id: ac38e2066c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ