身内にやっぱり甘いオタク ページ2
ロードマップは着々と埋まりつつある。塩酸、クロロ硫酸、水酸化ナトリウム……あんなに遠かったサルファ剤は、もうすぐそこまで来ているらしい。
「おーし、大体埋まってきたぜ!」
「実質あと三つだけだな。重曹、アニリン、無水酢酸」
「それがなんだかは全くわからんな、呪文のようだ」
うん、しかもサラッと言ったけど結構面倒くさい工程踏むからね、それら作るまでにもね。
私はゴールの近いロードマップを頭に思い浮かべながらも、その果てしなく細かい工程を考えては死んだ目で天を仰いだ。
私、次は何作らされるかなあ。できれば簡単な方のやつがいいなあ……私文系だし……
「どれ作るにも酒がいる。逆に言や、あとは酒さえゲットすりゃ……ついに万能薬、サルファ剤の完成だ!」
……ともあれ、君のそういう楽しそうな顔が見られるんだから、まあ悪くはないのかなとも思うけれども。
やっぱり私絆されてるなあ。千空にゲロ甘いもんな。推しだから仕方ないと言ってしまえばそこまでだけれども、それにしても随分……いや、大樹と杠にも結構甘々だったな私……?
もしや私、甘やかしすぎなのでは……?
「ソッコー作んぜ酒!」
「ちーと時間も手間もかかんがな、なんとか人海戦術で……」
「酒?何言うとるそんなもの、明日の御前試合で優勝すれば、村から飲みきれんほど振る舞われるぞ……?」
カセキのじいさんが、意気揚々と酒造りに取り掛かろうとしていた二人にそう言った。
あ、そうか御前試合。明日だった。さっきも考えてたはずなのにな、うっかりしてた。
「おいしいかな、村のお酒」
「飲むのか桐……?」
「いやあ折角だから……」
正直男装したかっただけのオタク→←気遣いにも事欠かないオタク
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八つ橋 - こんにちは、夢小説面白かったです、お身体にお気をつけて下さい。 (2021年1月23日 11時) (レス) id: ed846143d9 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 伊織さん» オワワワ〜〜〜〜〜ありがとうございます作者冥利に尽きます!!がんばります!! (2021年1月22日 15時) (レス) id: 2cc2b8ed9f (このIDを非表示/違反報告)
伊織(プロフ) - この頃2期が始まったのでアニメを見ていたら再熱してしまい、なにかないかと小説を探していたら、ぱる様の小説に辿り着きました。とても面白い小説をありがとうございます、これからも更新等頑張ってください! (2021年1月22日 14時) (レス) id: ac38e2066c (このIDを非表示/違反報告)
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