検索窓
今日:1 hit、昨日:24 hit、合計:248,724 hit

ゝ・参 ページ18

真希と憂太を引き連れて、私たちは小学校にやって来ていた。と言っても私は引率の悟の付き添いというようわからんポジションだ。


「ここは?」
「ただの小学校だよ。ただの校内で児童が失踪する小学校」
「失踪!?」


ただのっていうか呪われた小学校なんだよな。


「場所が場所だからね。恐らく自然発生した呪いによるものだろう」
「子供が呪いに拐われたってことですか?」
「そ、今んとこ二人」


二人かあ。生きてるといいなあ。


私はそんなに「被害者助けなきゃ!」って気持ちがない薄情野郎なので、被害者二人と聞いてもその程度の感想しか抱かない。


十年以上も呪術師やってると、全員助けるなんて夢を見るのも難しくなってくるのだ。


助けられるなら助けるけどね。仕事だし。


「大勢の思い出になる場所にはな、呪いが吹き溜まるんだよ」


要領を得ない顔をしていた憂太に、真希が言う。説明してやろうと思うくらいの気はあるらしい。完全シャットアウトじゃなくて良かった。


「学校、病院……何度も思い出されそのたびに負の感情の受け皿となる。それが積み重なると今回みたいに呪いが発生するんだ。呪いを祓い子供を救出、死んでたら回収だ。
あ、A帳降ろして」
「はいはい。『闇より出て闇より黒く、その穢れを禊ぎ祓え』」


悟と一緒に連れてこられてる時点で、私は帳・回復要員だろうなあと薄々思ってはいた。


私が詠唱を終えれば、空からインクを落としたようにみるみる夜へと変わっていく。


「夜になってく……!」
「“帳”だよ。君らを外から見えなくした上で、呪霊を炙り出す結界だ。中から簡単に解けるから、終わったら出といでね」
「じゃ、僕とA外で待ってるから。くれぐれも、死なないように」


私は悟に手を引かれて、小学校の外へと歩き出す。


ばいばいと笑顔で二人に手を振れば、ちょっと笑って真希が手を振り返してくれた。うーん好き。なお憂太は「死なないように」と言われてバチクソに慌てふためいていた。


背後で完全に帳が降りた。さあて、どうなるかな。

ゝ・肆→←ゝ・弐



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (520 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1367人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 転生
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

(プロフ) - ひゃぁぁぁぁぁぁぁあ!!!さいこう!!!すき!!!続きぃぃぃぃ!!! (2021年9月25日 2時) (レス) @page42 id: 6c5f13dd95 (このIDを非表示/違反報告)
シナト(プロフ) - 面白かったです!!もうストーリーが好きすぎます!!! (2021年4月4日 0時) (レス) id: 8c8daaf9e0 (このIDを非表示/違反報告)
7-10(プロフ) - わぱー!!!あっもう、はぁーーーーーん!!!すきです!!!!!!!情緒が反復横跳び!!!!!!!!!!!! (2021年3月3日 10時) (レス) id: ffef8138f8 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 63:927393さん» 続編です!!!ありがとうございます!!!!私もコメント励みになります好きです!!! (2021年2月27日 14時) (レス) id: 96fc810d06 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 鈴さん» 喜んでいただけて何よりです!!!ありがとうございます!! (2021年2月27日 14時) (レス) id: 96fc810d06 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぱるさん | 作者ホームページ:なしv  
作成日時:2021年2月26日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。