呪霊食べる系幼女に転生しちまったんだが【呪術廻戦】

ゝ･参 ページ33

……でまあ、色々あって天内理子引き渡しの場所が沖縄に指定されたわけである。


沖縄に場所を指定してきたのは、敵勢力(それぞれQと盤星教というらしい)が空港を占拠して天内理子を県内に閉じ込めておくためじゃないのか、という懸念があった、ので。


「どう考えても一年に務まる任務じゃない」
「僕は燃えてるよ！夏油さんにいいとこ見せたいからね！」


私と彼らが、その警戒に充てられたわけだ。


「それにいたいけな少女のために先輩たちが身を粉にして頑張ってるんだ！僕たちが頑張らない訳にはいかないよ！」
「台風が来て空港が閉鎖されたら頑張り損でしょう」
「多分悟も傑も身を粉にはしてないと思うよ。どっちかっていうと放蕩三昧だよ」
「今頃は、皆様海で遊んでらっしゃいますかね」


信用がたった4分の1なのウケるな。


まあ、悟も傑もどうせやることはやって遊び呆けているんだろうから何も言うまい。というか空港の警戒程度なら私一人でよくない？なんで一年の子らも連れてきたんだ可哀想だろ。


「……なんか腹立ってきたな。悟のクレカでもパチって来りゃよかった」
「お嬢さん、年々グレてきていらっしゃいますね」
「環境が悪いんでしょうね。周りがアレですから」
「うん建人、曲がりなりにも先輩をアレ呼ばわりするの面白いからやめようか」
「面白がってるじゃないですか」


いや面白いよ。だってこんなに礼儀正しい建人からアレ呼ばわりされてんだよ？ウケるよ普通。


「にしても暑いね」
「うん、すごく暑い。アイス食べたくなってくるなあ」


私は薄いワンピース一枚なので比較的涼しかろうが、建人と雄くんは(夏用のものとはいえ)長袖の制服だし、燕はガチの着物だ。暑そう。


空港の中なので外よりはマシかもしれないが、やっぱり本土より暑いもんは暑いのである。


「アイスとか冷たい飲み物とか、涼みながら任務したってバチ当たんないでしょ」


私がそう言うと、雄くんはこくこく頷いて、建人も「そうですね」と首肯した。少なくとも、アイス食べてたからと言って変な呪力を察知できなかったとか、そんなことはきっと起こらないし。


──なおアイスを食べている最中雄くんの携帯に連絡が来て、「滞在を一日伸ばす」などという報告を受けることになるのを、この時の私は知らないのである。


……いや、まあ、最後だもんな、遊ばせてやりたいよな、あどけない少女だもんな……その少女よりもっと少女の私が現場に駆り出されてんのには目を瞑ってな！

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