ゝ･弐 ページ17
「ああA、ここに居たのか。探したよ」
傑は実にスマートに私の肩を抱き、ナンパの人の手をびっくりするくらい秒で剥がしてくれた。助かる〜。一般人に術式使っちゃうわけにもいかなかったし。
「今日の服もよく似合ってるね。さ、行こうか」
「あ、うん」
謎の口説きに生返事の私を、そのまま促して傑は歩き始めた。ナンパの人の入る隙ゼロである。
流石長身イケメン、威圧感あって最高だな。ナンパ対策で一家に一台欲しい。
「ありがと傑、困ってたんだ」
「いや、配慮が足りなかったね。怖かったかい？」
「あとちょっとで手ェ出るとこだったよ」
「そっちか〜」
たかがナンパに怖がってたら呪術師なんか出来ませんよね普通。あとそこらのナンパの男よりも悟と傑の方が怖いと思う。言わんけど。
「硝子と悟は？」
「もう来るよ」
君携帯持ってないから、先に探して合流しておこうと思ったんだ。そう言って、傑は漸く私の肩を離した。いつの間にか人混みから抜け出ていた。これがッ……スパダリ……！
私がもう少しチョロめの女なら惚れていた。だが傑は正直アウトオブ眼中だ。こいつについて行った場合の将来お先真っ暗率が尋常じゃない。
……あれっ待って傑このまま行くと死んじゃうのでは……？
「おーい、こっちこっち」
「お前ら並んでるとカタギに見えねえな」
私が衝撃の事実に気づきセルフSAN値チェックを行っていると、傍からひょっこり現れた悟と硝子。悟はなんか失礼なことを言っていたが、着物の美少女と威圧的な長身イケメンが並んでいる現状、その言葉を否定しきれないので口を噤む。
いやだって、悟も傑も見た目がほんのりヤのつく人……いや、これ以上は何も言うまい。
「A、どっか行きたいとこある？」
「俺腹減ったんだけど」
「服見たい」
「オイ無視すんな」
軽口を叩きながらも、私は思考を巡らせる。傑が死ぬ、のは、嫌だな。素直に、嫌だ。
ならばどうする？──変えるしかない。前言撤回に撤回を重ね、「夏油傑の離反」そのものを無くすしかない。……いやでもそうすると十年後くらいに破綻してくるんだよな原作がな〜……！！
……いや、考えるのは後にしよう。まだ時間はある。今はとりあえず、この友人たちとの楽しい時間を大切にしなければ。
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ニノ崎(プロフ) - めっちゃ面白いです，，，好みドストライクです！これからも応援しております。後，伍話目の美美美ー美・美ー美美ってまさか某マルハーゲ帝国()のパロですか() (2021年3月2日 18時) (
レス) id: 159ece0998 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - みもなるーと。さん» 丁寧なご感想たいへん嬉しいです、ありがとうございます！燕は扇一の自立に必要な犠牲だったのでちょっと……ね……これから扇一夢主、ガンガン男前に磨きがかかって参りますので何卒お楽しみ頂ければ幸いです！ (2021年2月26日 19時) (レス) id: 96fc810d06 (このIDを非表示/違反報告)
みもなるーと。(プロフ) - なんだかクソデカ感情を向けてしまった（？）夢主に恋してしまうかと思ってしまいましたね… 最近は天候が崩れやすいのでお体に気をつけて無理せず頑張ったくださいチュチュ… (2021年2月26日 17時) (レス) id: d641c5035a (このIDを非表示/違反報告)
みもなるーと。(プロフ) - な、なんだこの小説は今まで生きてきた私へのご褒美かご褒美なのか。夢主のどこか達観した想像力などに惹かれました。燕さん私の推しだったのに食べちゃいましたね…やはり愛とは、呪いなのかしらと再認識できた気がします。素晴らしい小説をありがとうございます。 (2021年2月26日 17時) (レス) id: d641c5035a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - 43yomi1さん» ありがとうございます〜〜！！！更新頑張ります！！ (2021年2月26日 16時) (レス) id: 96fc810d06 (このIDを非表示/違反報告)
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