呪霊食べる系幼女に転生しちまったんだが【呪術廻戦】

長い長いプロローグ(幼女編)･壱 ページ1

目が覚めるとお布団の上であった。


思考を巡らせることコンマ数秒、私はふと思い至る。おや？私、死んだんじゃなかったっけか。


事の発端は某月某日の深夜、サークルの飲み会帰りでふらふらふわふわ歩いていた私が、大変なことにホームに足を滑らせ綺麗に落下。


時間帯が時間帯、ホームに他に人影はなく、非常ボタンを押してくれる人も無く、また自力で這い上がれる思考力も酔っぱらいの私にはなく。


そう、確か普通に轢かれたはず。電車のライトが眩しくて、暫く理解が追いつかなかった。その数瞬後、猛烈な熱さと違うような痛みに襲われて……そこから思い出せない。


まあ順当に考えて死んだんじゃないかな、と思う。モロに正面だったし。


それに、少なくとも。


私は右手を見る。次いで左手を見る。脱力して溜息を吐く。


私の手は、こんなに白くないし細くない。もう少し指も短かった気がする。少なくとも、こんなに綺麗な手はしていなかった。


というかまるっきり美少女の手である。起き上がり辺りを見回して、姿見らしきものを見つけた。


かけられていた布(反物って言うんだろうか、めっちゃ綺麗な布だった)を捲ってみる。美少女が映っていた。


わあ橋本環奈？しかしどう見ても十一歳そこらだな。私二十歳超えてたはずなんだけどな。


……いやこれ、あれじゃね？転生、したっぽくね？


私の頭ではそれしか思いつかない。死んで起きたら超絶美少女！ワァオ！大人だったのに子供に戻っちゃった！なんてあるわけもなく。


仏教的観念だとあるよね、生まれ変わり。私生まれ変わったんかな。そりゃいいわ、進学とかテストとか諸々やり直せるじゃん。ラッキー！


私はもうポジティブ方面に振り切ることにした。残してきた家族やら友達やら奨学金やらのことは考えないようにして、これから先のことだけに意識を向けた。


だから、思いつかなかった。思いつくはずもなかった。私が、まさか、「あの世界」に生まれ落ちていただなんてことは。

ゝ･弐→

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