オタクは予想外に弱い ページ14
そんなこんなで大樹と共に千空の手伝いをこなし、龍水から逃げ惑い、羽京兄ちゃんと時折弓を引いたりして、小五になったころだった。
休みの日はやることもないので家でゴロゴロするか、庭で竈作ってピザ焼くか、って感じだ。ピザ焼くのは今ハマっているだけで別に毎回やってる訳では無い。
「桐、こっちにいらっしゃい」
と、ふと母に声をかけられる。英語で。母は母国語が英語なので、家でも基本的には英語を話している。
私は焼いたピザを皿の上に置いて、呼ばれた方へと向かう。そこには母と、知らない女性がいた。室内なのにサングラスをしている。
母はその人を「私の妹よ」と言った。えっ、私叔母とかいたんですか。挨拶してねと言われたので困惑しつつもこんにちは、と言うと、綺麗な声でこんにちは、と返ってくる。うん？というか私この声聞いたことあるな。
誰の声だったかと思い悩むうち、彼女がおもむろにサングラスを外した。私は更に困惑する羽目になった。
金色の豊かな髪、澄み渡る青い瞳。涼やかな声にも、成程聞き覚えがあるはずだ。
「り、……リリアン……！？」
「私を知ってるの！？嬉しい！」
……リリアン･ワインバーグ。歌姫と語られる、最高の歌手。
その彼女が、私の、叔母……！？いやもう、属性盛りすぎてて全くよく分からない。え！？ワインバーグ家ヤバくない！？！？姉医者で妹歌姫て！！インフレか！！インフレだわ、私が一番インフレだわ。
「リリー、その子も歌うのが好きよ。宇宙のことにもとっても詳しいの」
「本当？！貴方が桐ね、姉さんから話は聞いてます」
リリアンは私に目線を合わせて、優しく笑ってみせる。ホアア私が男だったら惚れてたわこんなん。
「はじめまして、リリアン」
「リリーでいいよ。貴方と仲良くなりたいの！」
「リリー……不思議だ、貴方に会えるなんて思ってもみなかった」
「いつだって会えるわ。私たち、家族なんだもん」
リリアンは美しく微笑んだ。……この人が、千空たちに未来を繋ぐのだ。私は彼女のハグに応じた。リリー。私も貴方を抱きしめたかった。貴方にありがとうと言いたかった。貴方は訳が分からないと思うかもしれないけれど。
私の大事なあの人達に、繋いでくれてありがとう。
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ももこ - めっちゃおもしろかったです！文才過ぎてガチ小説読んでるみたいでした！ (11月9日 18時) (
レス) @page20 id: 1bc8f0fbc1 (このIDを非表示/違反報告)
癒し系猫(プロフ) - 名前変換は出来ないのでしょうか? (5月29日 21時) (レス) @page1 id: 0e8640f8c4 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるさん(プロフ) - あやめさん» ｵﾜﾜ〜〜〜〜ありがとうございます〜〜〜〜！！！！ (2020年12月12日 20時) (レス) id: 2cc2b8ed9f (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！！これからどうなるのか楽しみです！！！更新楽しみに待ってます！！！ (2020年12月12日 16時) (レス) id: 2cb5bf810d (このIDを非表示/違反報告)
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