苦節四年 ページ33
さてまァ色々ありましたけれども。
「何やかんやで4年経ったな」
こんにちは。17歳になったAです。
今日私は出航することになりました。
いやー長いようで短かった。
ごく軽い荷造りを済ませて、ダダンのところに顔を出す。
「じゃあ、行くよ、ダダン」
「うるせー。とっとと行っちまえ」
「うん。あのさダダン。私親がいなかったんだ。
だからダダンがいっぱい面倒見てくれて嬉しかったよ。母親みたいに思ってる」
背中向けてこっち向いちゃくれないけど、それでも聞いてくれているのは分かってる。
「だから、ありがとう」
でもせめて、ちゃんと今までの感謝を伝えてから行きたい。
「私ダダン達のこと大好きだ！行ってきます！」
多分すっごい泣いてるんだろうけど、敢えて追及はしないで。
私は山小屋を後にした。
･
コルボ山海岸。船はいらない。何故って私の「拒絶」があるから。
どうやらセレセレを使って疲れるのは体が慣れてないからだったらしかった。3年も使ってりゃそりゃ馴染む。
今は「拒絶」だけなら全然疲れない。
「んじゃ、行くか」
「ほんとに舟はいいのか、A」
「いいよ、私にはこれが合う」
ほんの少しの荷物と身一つ。
そうさ私はバガボンド。放浪するのがお誂え。
「まずは海軍！次は海賊！
でも船長は向いてないから誰かの船に乗るだろな」
気が向いたらお前らの船に乗り換えるよ。
私がそう言うと、エースとルフィは「お前らしい」と笑ってくれた。
「次会った時懸賞金着いてたらご褒美やるよ」
「言ったな！忘れるなよ」
「おれ肉がいい！」
一頻り笑いあった後、私は少し目を閉じた。俯いて、もう一度顔を上げて皆に向き直る。
大事な家族たちの顔を見回して、にっこり笑う。
「じゃあな、行くよ」
私は海を踏む。そうして皆に手を振って、海の上を歩き始めた。
どんどん見えなくなる。山が遠ざかっていく。もう視認できないだろうというところで、私は「正義」のコートを取り出した。
懐かしい。着てたなあ、これ。
「いや〜、4年…5年か？結構サボったな…
センゴクさんには怒られそうだ」
羽織るとその重みがよくわかる。
そういえば髪も切ったし、1個歳も下だし、当時の私とはまた違う雰囲気になっているだろうか。いやでもたかが1年だしそんなにか。
とりあえずいい言い訳を考えないと。私は頭を捻りながら海の上を歩き続けた。
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チェシャ - 初コメ失礼します！とても面白かったので一気読みしました！更新頑張ってください！ (2022年8月17日 21時) (
レス) @page50 id: 0f9ef21394 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 最高です！！めちゃくちゃ好き！！！！続き待ってます！！！ (2022年6月4日 16時) (レス) @page50 id: 3fbf61d899 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します！とても面白かったです！続きを楽しみに待っています！(*´ω｀*) (2022年1月6日 14時) (レス) @page50 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ - 最高でした！！ (2020年9月24日 12時) (レス) id: b086f2b657 (このIDを非表示/違反報告)
Lilac*@白布君＆ツッキー推し(プロフ) - 一気読みしました！更新楽しみにしてます！ (2019年7月31日 10時) (レス) id: 6500d8f78f (このIDを非表示/違反報告)
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