銀盤にて踊るは蝶の如し【ユーリ!!! on ICE】

侘び寂 ページ4

ゆーとぴあかつきにて。


指定された客室で早々にごろごろ。

畳素晴らしい。日本の侘び寂、最高。



「レシャ、入るよ」

「ヴィクトル？うん」



扉越しの声に返答する。


多分風呂上がりのヴィクトルが誰かを連れて入ってきた。



「お風呂行かないの？」

「あー、行ってこようかな…その人？」

「うん、カツキユウリ」

「ユウリ」

「そう」



当のユウリは入口前でこちらを見てもだもだしている。



「ほ、本物のレシャ･アルテュセール…！？ええええ、ぼ、僕はどうすれば、というかこれ現実か、え、ええ、」とかいう声が聞こえてくる。

ああ、私のこと知ってるんだこの人。


私はひょいと立ち上がった。


そしてユウリに歩み寄る。



「カツキユウリ？」

「ひえっ、はい！？」

「…うん、成程。
私はレシャ･アルテュセール。まあ、宜しく」

「あ、か、勝生勇利です…！」

「…日本では年下にも敬語使うの？」

「へっ、いや、そういう訳では…」



なんだこの人面白いぞ。


思わずふふ、と笑ってしまった。



「じゃあお風呂貰ってくる。
ヴィクトル、そこの袋のお菓子食べていいよ」

「え、本当？やった。ユウリも食べよう」

「あっ、はい、えと…
有難う…レシャ」

「ん、хорошо、良くなった。
じゃあ、お風呂行ってくるね」



ひらっと掌をあげて挨拶として、私はお風呂場に向かった。

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