躊躇い? ページ25
「疲れた」
「おう」
やあ、私だ。
家の前、ユーリのおじいちゃんがユーリを迎えに来てくれるというので、それまで二人でお話している訳である。
「なんか、ごめんね。うちの皆煩くて」
「いや、別に…気にしてねぇよ」
「そっか、良かった」
白い息を吐く。
話題が無い。いや、話題は多分探せばある。あるけれど、何故か、話すのを躊躇う様な、私がいて。
何故?…何も躊躇う話でもなく、取り留めのないものなのに。
「レシャは」
「ん?」
「…やっぱ、日本に居たかったのか?」
私はぱちくりと目を瞬かせた。
というのも、何故だかユーリの綺麗な瞳がやけに不安定で、揺らいでいて。
水面に映る満月のような、あんな雰囲気を感じたりもしたのだけれど。
けれど、何よりその声の弱々しさが、不安を物語っている。
私は彼の横にすとんと腰掛けた。
階段の段差を背凭れにして。
「どちらかといえば…ヴィクトル・ニキフォロフと勝生勇利の、化学反応みたいなものを見てみたかった気もするよ」
「…」
「でも多分、マーマに呼ばれなくても、君が勝ってても、私はロシアに帰ってきたと思うな」
「…え」
ぱ、とユーリの顔がこちらを向いた。
冷気で冷えた鼻頭が赤い。可愛いなと思った。
「だって私の異場所はロシアだもん」
はにかむと、ユーリは少し、寒さのせいでなく、赤くなった。
「それにロシアにはユーリだっているもんね」
「…もうお前…そういう…そういうの辞めろよ…」
「ウウン、難しいから無理かな」
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みこ - キャーキャーキャー!!!ユリオー!!!!! (2017年4月8日 19時) (レス) id: c68a911b59 (このIDを非表示/違反報告)
碧依 - ユーリのツンデレが可愛すぎる!あと某包帯無駄遣い装置の様なイケボで爆笑しました笑 太宰さん!マモちゃん!笑笑 (2016年11月22日 23時) (レス) id: c4f6f33d1c (このIDを非表示/違反報告)
夢小説ダダハマり人間 - ユーリのツンデレ!!レアすぎる!!!!//// (2016年11月2日 22時) (レス) id: 8350bb61d2 (このIDを非表示/違反報告)
なよん - うわあああああ、ユーリ可愛すぎだよおおこれからも応援してます。 (2016年10月21日 18時) (レス) id: bc703b2ae3 (このIDを非表示/違反報告)
遥(プロフ) - ああああユーリかわいい…更新頑張ってください! (2016年10月21日 1時) (レス) id: 237b5fb748 (このIDを非表示/違反報告)
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