銀盤にて踊るは蝶の如し【ユーリ!!! on ICE】

別の曲 ページ22

「パーパただいま…」

「ああレシャちゃんおかえり！丁度良かった！
別の曲滑って！」

「…はぁ？」



帰って早々スケートの話だ。流石父である。


そんな感じであれよあれよとシューズを履かされ動画を見せられ、そして今は氷の上である。



「待ってパーパ話が見えない」

「ほら、ジゼルやる予定だったじゃない？
でもヤコフのとこの子もやるって言うから」

「あー、被りはやだ」

「でしょ？」



パーパはにっこりと笑った。



「次のプログラムは変更して、ショートで「「くるみ割り人形」より「行進曲」」、フリーで「こんぺいとうの精の踊り」。
振り付け大丈夫？」

「当たり前。私は仮にも世界女王だからね。

あ、パーパ、ユーリ連れて来たからヤコフのとこ連れてってあげて」

「うん、わかった」



…分かったという割に動かない。


私はじとりとパーパを見た。



「パーパ？」

「良いじゃない、ユーリくんだって見たいでしょ？
うちのレシャちゃんの綺麗な演技♡」

「パーパ！」



私は少し声を荒らげた。

パーパは愉快そうだ。


全く何を言うのか。


私のスケートなんか見せる暇あったら練習させてあげてくれ。



「見たい」



…けれどそんな私の思いはユーリの一言によってバッサリ切り捨てられた。


は？


見たい？見たいって言ったのかこの子。


…いやいやいや、えっ。



「見るの？」

「んだよ、駄目か」

「いや、えっ、うん、いいけど、全然」

「ふふふー」

「パーパあんたお酒入ってるな」

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