銀盤にて踊るは蝶の如し【ユーリ!!! on ICE】

馬と鹿 ページ20

「レシャーーーーー！！！！」

「ユーリ助けてええええええ！！！」



私がかつてこんな大声を出したことがあったろうか。

いや、ない。


先刻。長い空の旅を終えて漸くロシアに着いたはいいが、其処で不運にも奴と遭遇した。


ご存知だろうか。いやご存知ないだろう。ぶっちゃけ私も会うまで存在を忘れていた。


私をぎうぎうと抱き締めるこの男の事を。



「む、誰だいそのキュートなボーイは。ボーイフレンド？」

「ばっ、ちげえし！つかお前こそ誰だよ！」

「俺は彼女のリンクメイトさ！
名前はアーサー･マルク･ベイカー。宜しくハニーボーイ！」

「ハニーボーイとかぴったりすぎる」

「何だよそれ、俺はユーリ･プリセツキーだ！」



ハニーボーイとは可愛いものに対しての言葉である。

アメリカでは子供とか彼氏とかに言ったりする、らしい。


うーーんそれ同性に言っていいの？まあでもアーティは馬鹿だから深く考えてないだろう。



「それよりレシャ？君が俺の傍から居なくなってからペアガールが変わったのだけれど、横暴なんだ、どうにかしてくれ」

「いや私ソロだし、まずそもそもペアの選手じゃない」

「Oh、冷たい！俺の練習よく付き合ってくれてたじゃないか！」

「それ12の時の話だよアーティ」



まず離せや。


嫌そう顔で必死に抗っているとユーリが引き剥がしてくれた。ありがとう。



「俺よりそのハニーボーイの方がいいの！？」

「え、ウン、君面倒臭いし顔が好みじゃない。
あと君アシュリー(前のペアの子)どうしたの？喧嘩したな？」

「うぐっふ容赦なく心に突き刺さる」

「行こうユーリ」

「おう」

「OMG！！！」



＿＿＿＿

サックリ設定。こいつは比較的まあまあ出る。

噛ませ犬役。


アーサー･マルク･ベイカー


さらさらの栗毛に榛の瞳の不本意ながらイケメン。

アメリカ人。22歳。愛称は「アーティ」。


スケートのペアダンスを主としており、ペアの女の子と度々喧嘩するので相手がよく変わる。

例の如く演技は上手い。


レシャに懐きまくり。基本可愛いものが好き。


車持ってたり金持ちだったりとハイスペックだが如何せん残念。

恋い人？→←露を見

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す