銀盤にて踊るは蝶の如し【ユーリ!!! on ICE】

気の所為 ページ17

「私これ終わったらロシア帰るね」

「はっ！？？」



温泉 on ICE、当日。


何故かオープンセレモニー(？)で踊らされることになった私がさらっとそう暴露すると、三者同様に驚いた。

だってそもそも私ヴィクトルにひっぱられて来ただけだよ？



「あー、結果は見届けてから行くから平気」

「そっ、いうことじゃなくて！」

「ユーリは負けたら一緒に帰ろうね」

「負けねえし！」



やー、分かんないもんだよこういうの。


からからと笑うと、ユウリがそろりと上目遣いに私を見た。



「あの、なんで急に…」

「マーマに帰って来いって言われちゃって」

「アンナさんに何かあったのかい？」

「ウウン、「Elle se sent solitaire beaucoup」ってパーパは言ってた」

「なんて！？」

「あ、ごめん。んーとね、「マーマ超寂しがってるから帰ってきて」かな」



フランス語は文だと通じない。覚えた。


ユーリとユウリはぽかんとしているが、ヴィクトルは納得したようだ。


さすが十年来。



「そういうヒトなの。仕方ない。まあピロシキ食べたいし帰る」

「後半とても私的な気が！？」

「キノセイ」

「片言って嘘ってバレバレじゃねえか！」

「だって帰るって言っちゃったしー」

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