口より先に手が出る系マネさん【ハイキュー】 (ページ43)

今日:22 hit、昨日:4 hit、合計:90,459 hit

41話ページ43

「ｵｯﾌﾄｩｩｩｳｳﾝﾝﾝ！！！」

遠慮？知らない子ですね。私だ。

スカートが捲れるのも構わず(というか下にショートパンツ履いてる)英のベッドにダイブした。

恥じらい？それも知らない子ですね。

「うはははー、英の匂いじゃー」
「A午後ティー？」
「ストレート宜しく！ありがとう！」
「分かってる、どう致しまして」

英はひらりと手を振って部屋を出ていった。

そういえばね、徹も覚もあきらって読めるんだよ。

しかも翔と陽だと両方あきらってよめるから烏野のあの子は日向あきらあきらに…

うわっやべえカオスだ。

「…なんか眠くなってきた」

ふわ、と欠伸をすると、一気に眠気が襲ってくる。

…英に怒られちゃうなあ。

私鍵どこやったんかな、と思いつつ、抗いきれずに目を閉じた。

「あれ」

奔放な幼馴染みが鍵を無くした。
トントン拍子に家に上げてしまった訳だが、こいつ、俺が午後ティー入れてやったのに寝てやがる。しかも俺のベッドで。

俺は溜息しながら、机にコップを置きそいつの前に座った。

「…黙ってれば、可愛いんだけどなあ」

するりと手の甲で白い頬を撫でる。

起きる気配もなくすやすやと眠る顔を眺めて、また息を吐いた。

俺はこいつに惚れていたりする。

いつからと聞かれると分からない。きっとずっと前からだ。

でも、幼馴染みとは存外難しいもので。

長年幼馴染みとして一緒にいると、それが居心地良くて、これが壊れるのが怖くなって。

だから、まだ伝えられないままでいる。

「好きだよ、A」

部屋はしんと静まり返っている。

俺は自己嫌悪にいたたまれなくなって、彼女の眠るベッドの脇に顔を埋めた。

(聞いてしまった(起きてた))