口より先に手が出る系マネさん【ハイキュー】

18話 ページ19

ベンチに座らせられてる私だよ。
本当なら…観客席でまったりしてる方が楽しかったのに…！！

そのポジションには夜がいる。めっちゃリラックスしてる。畜生。

ここにいると横が溝口くんだからサボれないんだよ！！真面目にマネジメントしなきゃいけないの！！面倒臭い！！


「Aちゃん」
「おうっ！？あ、及川さん。何ですか？」
「今の声何」


考え事してたら及川さんに話しかけられた。
吃驚して奇声を発してしまったがまあいいか。


「俺らさ、今年が最後でしょ」
「…、はい」
「この大会、もし、万が一、億が一にも負けちゃったとしても、俺は春校まで残るつもりでいるんだ」
「辞めてくださいよ縁起でもない。…私の前で弱音吐くなんて許しませんよ。自信たっぷりのウザイ及川さんでいてください」
「相変わらず酷いな」


らしくないな、と思った。試合前はいつでも自信満々、チームメイトを信じてやまない及川さんがこんな弱気になるなんて。

最後だから、だろうか。


「及川さん、私、普段の及川さんは本当ウザイなと思ってます」
「え、何、なんで俺罵倒されてんの？」
「最後まで聞いてくださいよ。…でも、試合中、バレーしてる時の及川さんは、活き活きしてて格好良いから好きです」
「…、は、え」
「胸張ってこのチームは強いって確信してる格好良い及川さん、また見せてくださいね」


私はそう言って笑った。


「…あの天然たらしめ…天然って怖いわー」
「全くだよ」
「国見ちゃんも大変だけど頑張って」
「待て上坂、なんで俺が頑張るの」

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