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リチャ「俺は、別に緊張したってええと思うけどな…？」
A「………うちはな、特別でおらなかんの。
女1人だけやから、常に“私だけ入れた理由”を示し続けんと…」
ぱちり、と目があう。
…こっちまで、しんどくなってしまう泣きそうな顔。
女の子“だから”入れた訳じゃない、
女の子やから特別扱いされるんじゃない。
特別やから、
女子“なのに”入れた、
たった1人だけ認められた理由を
パフォーマンスで、演技で、コメント力で、…人柄で
体全身で常に示さなければいけない重圧。
オフの時でも、ステージに立ってないときでも、カメラが回っていなくても、
Aが人間らしくいることを、許さない人たちが沢山おる。
…一部の過激なファンの子たちだけやなくて、Jr.やスタッフさんの中にも。
楽器演奏に、アクロバット、ダンス、作詞作曲、演技、動画制作…才能に富んだJr.は沢山おって、
その中で少しでも目立とうとする俺らとは違う苦しさ。
才能のある奴らばかりの中で、
さらに“特別”を求められる苦しさなんか想像もつかんかった。
A「…誰よりも完璧で、おらんと。」
A「絶対、Aぇでデビューしたい。
…このまま、女1人のJr.やって、持ち上げられただけで終わりたない。」
A「…でもな、捨てたないよ。ほんまは、
うちはうちのまま、認められたかった、みんなに。」
ぽろぽろと、前後の脈絡なく溢れる本音。
………無責任に、
“俺が全部認めたるから、Aのままでおってや”って
言えたらどんなによかったんやろ。
A「なぁ、リチャくん。
手伝ってぇや、うちのこと殺すん。」
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作者名：こひな | 作成日時：2023年11月6日 2時
