毒にも薬にも【短編集】 (ページ4)

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秋のひんやりとした空気が頬を撫でる。

鮮やかなネオンも、都会の騒がしさも、
自分の激しい鼓動にかき消された。

…お互い雰囲気にも、お酒にも酔うのが苦手で、

たぶん俺もAちゃんも酔うてなくて。

グズグズとした甘い雰囲気も作れてる訳じゃない。

二軒目、なんて、空気でもない。

そんなん。

…ちゃんと、目見て、伝えるだけに決まってるやろ。

晶哉「ごめん、Aちゃん、

…ずっと前から、好きやった。」

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A「…………うちも、晶哉のこと好きやった。」

お酒とは違う理由で
耳まで真っ赤にして返ってきた答え。

そんなん可愛すぎて、抱きしめてしまうに決まっとるって。

聞けば、お互い飲みの席で話すだけの関係望んでるって
思い込んでたらしい。

えらい時間かかったんやな、俺ら。

晶哉「……もし、よかったら、やけど。

俺の家で飲み直しませんか…？」

A「………よろしくお願いします…、」

居酒屋から出たはずなのに、

生ぬるい男女の甘い雰囲気が漂う。

　

…大学生の男女2人っきりの宅飲みなんて。
何が起こるか、分かるよな。

……今夜は、Aちゃんにとって

人畜無害でいられへんくても、許してな？