狼達に睨まれた兎【文スト】

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二人に挟まれること数分。

このままじゃ埒が明かないなー


「あのー太宰先輩。私そろそろ次の任務がありますので。」



しかし、一向に太宰先輩が腕を離す気配がない。



「あの･･･？」


「今回は身を退こう。ただしひとつだけ教えてくれないか。






君は私たち探偵社を嫌いになってしまったのかい？」




さっきまでの巫山戯た表情ではなく、母親にすがる幼い子供のように不安げな顔で問われる。



暗闇と寂寥が宿る太宰先輩の瞳が私の顔を映して揺れていた。



「っそんな訳ないじゃないですか！皆さんの事は大好きです。でも･･･」




言葉に詰まる。

ダメだ。この先は言えない。言うわけにはいかない。


「今は･･･皆さんから離れなければいけないんです。理由は、全てが終わってから必ずお話しします。」




子をあやすように優しく語りかけると、不満げではあったが太宰先輩の手は離れていった。



「約束だからね。Aちゃん。」



「はいっ！勿論です！」



太宰先輩を、そして自分を奮い立たせるように満面の笑みで応える。



「話は終わったみてぇだな。さっさと帰るぞ！」



今まで大人しくしていた中也さんの後ろに続いて探偵社を去る。


「ったく。太宰の阿呆のせいで余計な時間がかかっちまった。お前も誘拐なんてされてンじゃねぇよ！」



「あはは、面目ないです。」



中也さんのお説教を受けながらも、私の頭の中は先程の太宰先輩のかなしそうな表情でいっぱい。

暫く歩いているうちに中也さんは私の様子に気がついたのか、ため息をつく。



「ハァ。太宰も太宰だが、お前もお前だ。何で探偵社の連中に教えてやんねぇンだよ。お前が









　 新興のマフィアに狙われてるってこと。」

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