狼達に睨まれた兎【文スト】

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太宰side



私は、君が好きなのだよ。





あの時、顔を赤らめて逃げてしまった君を見て、やっと伝えられたと思った。



両思いになれなくてもいい。ただ溢れそうなこの気持ちを吐き出したかった。



ここまで誰かを大切にしたいと思ったのははじめてだったんだ。


なのに、



「っA･･･？！A！！」




次の日から、君は探偵社に来なくなった。


連絡もつかなくなった。


１度だけ訪れたことのある君のアパートには、〈探さないで下さい〉と書いた手紙だけ。





一週間


１ヶ月


半年



皆が必死に君を探し、やっと見つけた君は








ポートマフィアの一員になっていた。





任務の途中だと思われる君の後をつけると、そこには怯えきった男。そしてそれを冷たい眼で見つめる君が男の額に手を翳すと、




「ぅわぁぁぁぁぁぁあああ！！！」




悲鳴と共に意識を失った男。



最初はもう優しかった君はいなくなってしまったのだとおもったけれど、私は気づいてしまったよ。



倒れ込んだ男を見る君の目が、悲しみに揺れたことに。





Aちゃん。









君は、望んでそこにいるわけではないのだね？

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