30 ページ32
時は過ぎ、依頼人が武装探偵社を訪れてから三日後のことだった
私と谷崎さんは国木田さんに呼び出されていた
「今日、例の記憶喪失の依頼人が被害者である兄を連れて来る。」
ついに来た、か
「あぁ。あの原因不明の、ですか?」
谷崎君が首を傾げる
あの時、探偵社には私と国木田さんしかいなかったため、谷崎さんは直接会っていない
「そうだ。谷崎、A。対応を頼めるか?」
俺は別の案件で外に出ねばならんのだ、と国木田さん
……正直気は乗らない
現に、先刻から嫌な予感しかしない
だが、そんな理由で仕事を断る訳にも行かず、
「分かりました。話、聞いておきます。」
だが、私はこの時のことを深く後悔する事になる
なぜ断らなかったのか
なぜ武装探偵社のみんなを信じて’’全てを’’話しておかなかったのか___________
_______ちょうど午後2時を回ったところ
コンコン
「先日お伺いした七瀬です。」
依頼人、七瀬さんがやってきた
後にはもう1人、男性の姿が見える
「あぁ、話は聞いていますよ。どうぞこちらへ」
谷崎さんが人のいい笑顔を浮かべて対応するが、その間も後ろの男性は上の空で話を聞いている様子は無い
「女……異能力者に……。あ、ぅあ……」
虚ろな目で空中の1点を見つめ、うわ言を繰り返す男性
「見つかってからずっとこの調子で……。もうどうすればいいか……っ!」
弟さんも参っているようで、その表情からは疲弊の色が見て取れる
「大丈夫ですよ。きっとボク達が何とかして見せますから!」
ねっ、Aちゃん!と谷崎さんに同意を求められる
「……そうですね。私達に_____」
____任せて下さい、と続けようとしたその時だった
虚ろだった男性の目が私を捉え、瞬時に見開かれた
その瞳から感じるのは____恐怖
そして次の瞬間
「ぅ、うああああああ!!!!」
まさに絶叫
私を見つめ、明らかな怯えを示して叫ぶ男性
私を含め、その場にいる誰もがわけも分からずにいた
そしてその男性はひとしきり叫んだ後、私を指さしてこう云ったのだ
「この女だ!この異能力者に記憶を取られた!!」
_____嫌な予感が最悪の形で的中した
682人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナキ - とても面白いです!更新ガンバって下さい!応援してます!! (2017年12月26日 10時) (レス) id: 09c9350497 (このIDを非表示/違反報告)
塩キャラメル - 芥川好きですわ〜w羅生門に一回抱っこされて見たいw羅生門撫でて見たいw (2017年11月18日 19時) (レス) id: ef2dbfdc67 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^皆に愛されて、ヒロイン、羨ましいです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2017年11月14日 0時) (レス) id: 8c0a96a096 (このIDを非表示/違反報告)
ささみ(プロフ) - くれーぷさん» コメントありがとうございます!敦が夢主に抱きついて、芥川が嫉妬っていう流れが書きたかったんです笑 (2017年8月22日 22時) (レス) id: 6b4aaf1703 (このIDを非表示/違反報告)
くれーぷ(プロフ) - 探偵社との再会のシーンめっちゃ好きですね。号泣して抱きついてくる敦可愛過ぎる← 題名見てすぐ飛んで来ましたwこれからも更新頑張って下さい(*´∀`)♪ (2017年8月22日 11時) (レス) id: d036a490f0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ささみ x他1人 | 作成日時:2017年8月14日 22時