狼達に睨まれた兎【文スト】

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「さっきだって、ポートマフィアの事を考えていたんだろう？」


図星だ。

でも、私の思考まで太宰先輩に管理されるなど、不可解極まりない。


「そうですけど、私が何を考えていようが、太宰先輩には関係ないです･･･。」


射抜くような冷たい視線に怖じ気づき、思わず口調も弱々しいものになる。


「へえ。そういう事を言ってしまうんだ？」



凍えるような視線が、ぎらりと獲物を捕らえた獣の目に変化した。


まずいは思ったものの、逃げようとする前に両手首を頭上に纏められてしまう。


「太宰先輩！？離して下さいっ！」


手首に力を入れるが全くの無意味。


私が抵抗できずにいるのを良いことに、太宰先輩の頭が首に埋まる。


ふわふわとはねる髪がくすぐったい。



「やめっ･･･あっ！」



どうにかして拘束を解こうともがいていると首辺りに柔らかい感触。


視線だけ動かすと、首筋には赤い跡。


「Aは私のものだっていう印。綺麗についたね。」



「な、な、なんっ･･･！」


驚きと恥ずかしさのあまり顔に熱が集まる。


そして、


「何するんですかー！！！」



気づくと、太宰先輩の顔面を平手打ちして走り出していた。

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