【Ｐ５】続！ド田舎少女は都会に移転しました？！！ (ページ10)

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10 悩み事ページ10

連れてこられたのは事務室横の小さな部屋。

バタン、と扉を閉められ私と彼女とで二人きりになる。

部屋は暗く、恐怖心を煽られる。

「アンタ、ムカつくのよ。」

バン！

壁に迫られて、厳目さんの顔が至近距離になる。

「アンタばっかり、店長に可愛がられて……！アンタが入らなきゃ、私が一番可愛がられていたのに！」

ｸﾞｲ…！

「痛っ…！」

髪を掴まれて上を向かされる。

「アンタなんか…！このっ…！」

「い゛っ……！！」

首を思い切り捕まれて息が苦しくなる。

嘘… まさか、殺される…？！

「ずっとヘラヘラしてて、先輩の私よりさっさと上へ上がってって…！ムカつく…！ムカつく…！！」

私の首を掴む手に力が篭っていく。

これは、非常に不味い…！

「ｼｬｰｯ…!!!!!」

「？！」

突然私の首を掴んでいた手が離れる。

解放され、しゃがみ込んだ私の喉はゲホゲホと咳を繰り返している。

「ね、猫…?!」

ふと足元を覗くと、青い瞳で黒い毛皮の猫が厳目さんに向かって威嚇をしていた。

……まるで、私を守るように。

あれ、この子……

「…っ！」

私は厳目さんの隙をついて扉に向かって走り出した。

扉から飛び出すとタイムカードを急いで切り、荷物を持って店を後にした。