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福沢先生に護身術教わりに行っていた時で良かった。
外套で重くなるとはいえ、動きやすい服装だったので難なく銀さんを陸地に引き上げることができた。
外套を絞っていると銀さんに極めて正論を言われてしまい、恥ずか死んでいる。
頭を抱えて悶絶している私に銀さんが改めて聞いてきた。
銀「それで?
飛び込むまで追い詰められてた理由は一体何なんだ?」
私はキョトンとした顔で見上げると
銀「何その顔!?
俺の顔が困っている人見捨てるような極悪非道に映ってるの!?」
どこに対して怒ってるのか論点がズレだして来たので慌てて弁解する。
「否、そういう訳じゃなくてね?
多分“何言ってるんだコイツ?“みたいな突拍子も無いような内容なのだよ。」
これ以上迷惑はかけられないと続けようとすると待ったと止められた。
銀「実は俺、”万事屋銀ちゃん”という何でも屋を営んでいるんだよ。
生憎、現在仕事が無くて暇なわけよ。
何処かに仕事を依頼してくれる人は居ねーかなー?
せっかくなら、美女がいい。」
ちらりと此方を見てきた銀さんに私はつい笑ってしまった。
「本当かい?
実は困っている事があってね…。
助けてくれないかい、お兄さん?」
銀「任せとけ、俺は普段は死んだ魚のような気の抜けた目をした怠け者だが、決めるところはビシッと決める男なんでね。」
胸を張る銀さんに私はにっこりと微笑みながら
「それは頼もしいね。
早速頼みがあるのだけど。」
どんとこいと言った雰囲気の銀さんに私は
「しばらくお兄さんの家に住み込ませてくれないかな?
私、異世界に放り込まれてしまって一文無しなのだよ。
私からの依頼はこうだ。
1つ、私を元居た世界に戻すこと。
2つ、元の世界に戻るまで私の生活を保証すること。
頼まれてくれるよね、何でも屋のお兄さん?
あれ、どうしたんだい?乾いてきた筈なのにびしょ濡れじゃあないか。
…まさか今更前言撤回なんかしないよね?」
滝のような冷や汗を流す銀さんに私は真っ黒い微笑みを向ける。
聞こえてるよ?
ヤバイ、厄介事に首突っ込んだかも?
っていう心の声が。
「嗚呼、仕事とか手伝う予定だよ?
ただ飯食いにはならないから安心したまえよ?
ということで、
私の名前は太宰。太宰Aだ。」
手を差し出すと腹を括った銀さんが手を握り返してきた。
銀「坂田銀時だ。
もうどうにでもなれよ…」
人生諦めが肝心だよ、銀さん。
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ユウ(プロフ) - 更新まってます! (2021年10月25日 13時) (レス) @page37 id: d7bd017054 (このIDを非表示/違反報告)
yuuna1202(プロフ) - 呪術廻戦とのコラボが見たいです!! (2020年12月8日 16時) (レス) id: 1a3b3ba982 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - クレハさん» そんなことないですよ!恥ずかしながらうっかり見落としていたので助かりました。ありがとうございます! (2019年11月21日 21時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
クレハ(プロフ) - 甘栗さん» 初コメントが指摘ですいません!しかし、気になったもので……無理せず頑張ってください。 (2019年11月21日 21時) (レス) id: a8882568e6 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - クレハさん» 変換ミスしてました!教えていただきありがとうございます。 (2019年11月21日 21時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘栗 | 作成日時:2019年8月1日 17時