歴代最年少幹部の姉、江戸へ

Another-4 ページ5

銀時side

普段通りツケがききそうな店を探しながらふらついていると人だかりが見えた。

平日の昼間っから何の騒ぎだとちゃっかり野次馬に紛れると、そこには不思議な雰囲気の女がいた。

すらりとしたモデル並みの体型に真っ黒なふわふわした長い髪。
カジュアルな江戸には合わない服装が目を引いた。

グレーのズボンに紺色のシャツ。
その上から真っ白な長い外套を羽織っている。
動きやすい服装なのにお洒落に見えるのはその美貌故だろう。

てか足長くね？
銀さん悲しくなってきたんだけど。

満足したので飯でも行こうとすると周囲がざわめいた。

銀「オイオイ、マジかよ…！」

女は橋の柵を飛び越えて橋の縁に立った。
切れ長な瞳は何を映しているのか水面見つめている。
女は自然な足取りで足を前に踏み出した。

野次馬達の波を掻き分けて橋に駆けつける。
橋を飛び越えて女の腕をギリギリの所で掴むことが出来た。

右手で女の腕を掴み、左手で橋に掴まる。
驚いた様子で見上げてくる女に怒鳴り付けた。

銀「あっぶねぇな！！

飛び降り自 殺とか笑えねぇ事すんじゃねぇよ！」

女を引っ張り上げようとするとミシリと嫌な音がした。
冷や汗だらけの顔で左手を見てみると橋が壊れかけていた。

そういえば朝

新『橋の柵が老朽化が進んでるので修復を頼まれましたよ。明日の朝は必ず起きてくださいよ、銀さん。』

修復予定の橋って此処かよ！

助けにいった筈が自分まで落ちるなんて馬鹿じゃねーか。

ドボーーーン！！

女もろとも盛大に落ちた俺は女は溺れていないか慌てて探しながら泳ぐが女の姿は何処にも見られない。
息継ぎの為に水面に出るとすでに陸地に上がっている女の姿があった。

銀「嘘だろぉ！？

俺何の為に川に落ちたの！？」

俺も陸地に上がろうとすると

銀「ぎゃあああ！？

足つった！！

タイミング悪すぎるんですけどっ！

ちょっ、ちょっとそこのお姉さーん！

助けっ…ｶﾞﾊｺﾞﾎﾟｺﾞﾎﾟ…」

沈んでいく俺に救いの手が差しのべられた。
女は陸地に俺を引き上げると水浸しの外套を絞り始めた。
咳き込みながら死なずにすんだことに安堵する。

銀「あー、助ける筈が逆に助けられちまったな。

で、何で飛び込もうとなんかしたんだ？」

耳に入った水を抜きながら聞くと唸りながら女は答えた。

「飛び込めば帰れると思って…？」

銀「何で疑問系なんだよ。

飛び込めば帰れるって何？

水中に家でもあるの？」

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