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Another-33 ページ36

新「人斬りってどういう事ですか!?」

悟「知りませんよ!」

身に覚えのない悟は困惑した。
慌てて弁解するが沖田の不信感は払拭できない。

新「待ってください、悟さんは…」

沖「先程の騒動では取り逃がしちまいやしたが今回は逃しやせんぜ。」

銀「おい、どういうことだ。」

話せと銀さんが促すと沖田は刀を構えたまま説明を始めた。

沖「知らねぇんですかい旦那ァ。

旦那の庇っている男は例の切り裂き魔でさァ。

今さっきも1人切られて死にかけてる…。

旦那のところの別嬪さんがそちらさんを取り押さえてくれてなきゃ死人がでていたんですぜイ。

その別嬪さんも今は行方不明ときた。

あの別嬪なに者ですかィ?

それはその男しょっぴけば嫌でもわかることだから今は良いとしやすが…。

とりあえずそう言う訳でソイツ、渡してくだせぇ。」

話は終わりだと言わんばかりに隊士達が迫ってきた。

悟「ひっ…!」

怖い、嫌だ。

何で自分がこんな理不尽な目にあわなければならないんだ。

強く目を閉じてしゃがみこむと、ふと周りの音が消えた。

恐る恐る目を開くと、薄暗い空間に自分だけポツンと取り残されている。

『大丈夫ですよ、"貴方"は何も悪くない。

ただ僕の言葉通りに身を委ねれば良いのです。』

どこかで見たことあるようなアメジスト色の瞳の男がどこからともなく現れた。

『さあ、戻ってきてください。

"貴方"の名前は "アントン・チェーホフ" です。

今一度、役目を忘れてはなりませんよ?』

思い出した。

そうだ、自分はこの男に──!

ここが何処だかわからないがこの男から逃げなければ。

急いで振り返り走るが足が段々と重くなってきた。

ついに歩くことすらできず膝から崩れた。

カツカツと一定の音が迫ってくる。

脂汗が玉のように額に浮かんでは頬を伝って落ちを繰り返した。

男の長い指が目を塞いた。

ヒュッと息が漏れると楽しそうに男は耳元で囁く。

『"貴方"の時間は終わりです。

其れでは頼みましたよ?』

その言葉を最後に意識が途絶えた。


銀「しっかりしろ!」

急に黙った悟の肩を揺さぶり声をかけた。

乾いた音が響いた。

銀「何も叩かなくたって良いだろ…っお前!?」

ゆらりと顔を上げた悟の瞳の色が利休色に変貌していく。

悟の変化に一同が動揺した。


「俺はアントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ…。

死の家の鼠の一員。

邪魔物は、排除、する…!」

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ユウ(プロフ) - 更新まってます! (2021年10月25日 13時) (レス) @page37 id: d7bd017054 (このIDを非表示/違反報告)
yuuna1202(プロフ) - 呪術廻戦とのコラボが見たいです!! (2020年12月8日 16時) (レス) id: 1a3b3ba982 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - クレハさん» そんなことないですよ!恥ずかしながらうっかり見落としていたので助かりました。ありがとうございます! (2019年11月21日 21時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
クレハ(プロフ) - 甘栗さん» 初コメントが指摘ですいません!しかし、気になったもので……無理せず頑張ってください。 (2019年11月21日 21時) (レス) id: a8882568e6 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - クレハさん» 変換ミスしてました!教えていただきありがとうございます。 (2019年11月21日 21時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘栗 | 作成日時:2019年8月1日 17時

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