Another-29 ページ32
うーん、困ったなぁ。
私、君達に危害を加えるつもりは毛頭無いのだよ?
早く地球に戻って奴をどうにかせねばならないのに。
それに銀さん達に勝手に依頼して勝手に居なくなると言う暴挙を謝らなくては。
警戒している阿伏兎さんは動きを見せない。
真っ正面からドンパチやったら確実に負ける。
真っ正面でなくても負ける。
夜兎の戦闘に関する恐ろしさはコミックでわかっていたつもりだったが、実際に会った神威と神楽ちゃんは想像を遥かに越える身体能力だった。
阿伏兎さんなら話がわかってくれるかもしれないという淡い希望にすがって、私は調べようとしていた小型船から姿を見せた。
「凄いね。
もう少し時間がかかると思ったんだけど…
よくわかったね?」
微笑みながら異能力を解除すると阿伏兎さんは肩を竦めた。
阿「偶然だよ偶然。
まさかと思ってきてみたら案の定おいでになったって訳だよ。
わからない手口を持った相手をしないといけないなんておじさん怖いよ。」
気だるそうに言いつつも余裕たっぷりに番傘を携えている。
それもそうだろう。
とんでもなく強い味方が沢山居る阿伏兎さんに引き換え私は敵陣で味方一人いない状態だ。
それ以前に阿伏兎さんだけでも十分に強い。
強い人が油断をしていない状態なんて部が悪いにも程がある。
「私はアントン・パーヴロヴィチ・チェーホフという男に用があるけど君達には無い。
今回この場所に来たのは間違え…もとい手違いなのだよ。
と言うわけで帰らせてくれないかな?」
敵意が無いことと帰りたい要求をすると、阿伏兎さんは頬を掻きながら番傘を下ろした。
阿「あー、そうしてやりたいのも山々なんだが、もう無理みたいだ。」
"もう"?
「あちゃー、もう気がついたか。」
額に手を当てて肩を落とす。
交渉をもっと早く終わらせられれば変わっていたのだろうか?
まぁ今さらだよね。
2階の入り口から入ってきた少年のアホ毛が嬉しそうに動いている。
神「見つけたよ。
かくれんぼも鬼ごっこもやめにして、今度こそ殺ろうか?」
嬉々として2階の柵を飛び越えて降りてきた。
華麗に着地した彼に一言…では無いが言わせてほしい。
まず、殺らねぇよ。
何だその満面の笑み。
私を萌え殺すつもりか?
嗚呼、壁になりたい。
切実に。
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ユウ(プロフ) - 更新まってます! (2021年10月25日 13時) (レス) @page37 id: d7bd017054 (このIDを非表示/違反報告)
yuuna1202(プロフ) - 呪術廻戦とのコラボが見たいです!! (2020年12月8日 16時) (レス) id: 1a3b3ba982 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - クレハさん» そんなことないですよ!恥ずかしながらうっかり見落としていたので助かりました。ありがとうございます! (2019年11月21日 21時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
クレハ(プロフ) - 甘栗さん» 初コメントが指摘ですいません!しかし、気になったもので……無理せず頑張ってください。 (2019年11月21日 21時) (レス) id: a8882568e6 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - クレハさん» 変換ミスしてました!教えていただきありがとうございます。 (2019年11月21日 21時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘栗 | 作成日時:2019年8月1日 17時