Another-14 ページ16
路地裏にお巡りさんが駆け込んできた。
お巡りさんは────
否、ドストエフスキーは服を着替え、何かを探している。
太「探し物はこれかい?」
ド「……貴方ですか。」
ドストエフスキーの帽子を、被った太宰が笑みを浮かべながらひらひらと手を降った。
どうやらドストエフスキーの逃亡経路を読んで待ち伏せていたようだ。
太宰はドストエフスキーの足元に帽子を投げ捨て社長に盛った毒の正体を訊ねた。
ドストエフスキーは慌てた様子を見せない。
太「君の目的はわかっている。
『本』を得るためには横浜の異能力者を根絶やしにする必要がある。
けど君達鼠には組合のように街ごと焼き払う兵力はない。
だから暗殺で探偵社とマフィアの頭を落とそうとした。」
ド「何故そう思うのです?」
太「私ならそうするからさ。」
太宰の答えにドストエフスキーはうっすらと口角を上げた。
ド「似た者同士という訳ですか。
良いでしょう。」
ドストエフスキーが盛った毒は『共喰い』の異能だ。
ある犯罪者の持つウイルス型の異能で、
極小型の異能生物が四十八時間かけて成長し宿主二人の体を喰い破る。
但し宿主のどちらかが死ねば異能は停止する。
福沢諭吉の命か森鴎外の命かどちらを選ぶか。
ド「異能無効化は諦めてください。
重要臓器内に隠れたウイルスを探して触れるのは自 殺行為です。
どうします?
マフィアと相談でもしますか?」
ドストエフスキーの悪魔の囁きは止まらない。
鼠が二組織を潰すのではなく探偵社とマフィアを潰し合わせる。
二日という猶予では探偵社もマフィアもドストエフスキーの思惑通りに動かざるを得ない。
ド「人は罪深く愚かです。
策謀と知っていながら殺し合うことを止められない。
誰かがその罪を浄化せねばなりません。
故に私は『本』を求めるのです。
……こんな風に。」
パンッという音が聞こえると太宰は地に伏した。
太宰の行動も予測していたようで狙撃手を手配していた。
急所からそれたとはいえ腹を撃ち抜かれた太宰は重傷だ。
立ち去るドストエフスキーに苦し気に太宰は声を発した。
太「…確かに人は皆罪深く愚かだ。
だからいいんじゃあないか。」
ド「貴方、狙撃手の存在を知っていましたね?
その上で情報を得る為わざとここへ…」
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ユウ(プロフ) - 更新まってます! (2021年10月25日 13時) (レス) @page37 id: d7bd017054 (このIDを非表示/違反報告)
yuuna1202(プロフ) - 呪術廻戦とのコラボが見たいです!! (2020年12月8日 16時) (レス) id: 1a3b3ba982 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - クレハさん» そんなことないですよ!恥ずかしながらうっかり見落としていたので助かりました。ありがとうございます! (2019年11月21日 21時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
クレハ(プロフ) - 甘栗さん» 初コメントが指摘ですいません!しかし、気になったもので……無理せず頑張ってください。 (2019年11月21日 21時) (レス) id: a8882568e6 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - クレハさん» 変換ミスしてました!教えていただきありがとうございます。 (2019年11月21日 21時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘栗 | 作成日時:2019年8月1日 17時