106話 ページ36
中也side
ポートマフィアでは緊急の幹部会議が行われる事になった。
議題はポートマフィアの上層部宛に1通の手紙が届いた。内容はこうだ、
"指示に従わねばポートマフィアは破滅するだろう"
ポートマフィアに喧嘩を売るだなんて余程の馬鹿なのかそれとも其れ丈の自信があるのか。
この手紙がもう少し遅く届いていたらもう少し一緒にいられたと考えると腸が煮えくり返る。
会議室に入ると紅葉姐さんが先に待機していた。
俺を見るなり目を輝かせて
尾「どうじゃった?Aとの逢引は!」
爛々とした目で見られ、どう答えようかと考える。
頭に浮かんだのは薔薇色のドレスを着たAさんだった。
仕事で着飾った女性を数多く見てきたがお世辞抜きでAさんの前では全て霞んで見えた。
前日にAさんに似合いそうな服を選びに行ったのだが、どれを着ても似合いそうで選ぶことが出来なかった。結局端から端まで買い込んでしまったのだが…
どれを選んだのだろうかと胸を踊らせながらノックをすると返事が返ってきた。
部屋に入るとそこには予想以上に美しく着こなしたAさんが立っていた。
見惚れて声をかけることが出来なかったがAさんは俺を見るなり嬉しそうに微笑み、俺の服装が似合っていると褒めてくれた。
一人前の男として見てもらえてるのかと思うと嬉しくて頬が火照るのが自分でもわかる。
やっとの思いでAさんの美しさを足りない言葉で称賛すると服とメイクをしてくれた人が凄いんだと否定された。謙虚なのは美点なのだが口説く時には厄介だなと心の中で苦笑した。
髪飾りの花は自分の瞳の色をイメージして青くしたのだがきっと気が付いていないだろう。
そんなことを思っていると、震えた指で衣装棚を示しながらAさんがまさかここの服全て準備したのかと所々言葉になっていない言葉足らずな状態で聞いてきた。
肯定するとAさんは小さい悲鳴を上げて金持ちの金の使い方は半端無いなと別次元の人間を見る目で見てきた。
自分だっての天才的な戦略を繰り広げているのにも関わらず、其をひけらかす事なく一般人に溶け込む為に変な方向で努力している…
それこそ別次元の人じゃないかと。そんな言葉が喉元まで来ているがそれは笑いとなって口から溢れ出た。
何故自分が笑われるのかわからないと不服そうなAさんを見てまた笑いが止まらなくなる。
そんな貴女だから俺は惚れたんだ。
謝りながらまだ伝えられない気持ちを胸の内で呟いた。
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甘栗(プロフ) - ウナさん» どんどん中也さんの活躍増やしていこうと思ってます!ドキドキしてもらえるように頑張ります! (2019年4月4日 19時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
ウナ - うわあ、もうかっこよすぎです、中也!!やばいですよもう!凄いです! (2019年4月4日 18時) (レス) id: 0bc8f10023 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - チョコ味の白兎さん» 確かに口調が敦君みたいですね(笑)色々な関係が動く予定なので楽しみしててください! (2019年3月30日 20時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - 雪宮暦さん» カッコいい中也を目指してるのでそう言って貰えて嬉しいです! (2019年3月30日 20時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
チョコ味の白兎 - 最後のセリフが敦くんっぽい!ここからの展開が楽しみ! (2019年3月30日 17時) (レス) id: 8cc010c4ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘栗 | 作成日時:2019年2月28日 16時