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96話 ページ25

電話が来てからすぐに扉を叩く音が聞こえた。中也が促すと芥川君が入ってきた。
姐さんはもう少しで来るだろうとの事らしい。
芥川君はそわそわしながら此方を伺ってくる。
そんな様子が可笑しくてくすりと笑い自己紹介わ始める。

「改めて、私の名前は太宰。太宰Aだ。」

キメ顔で治風に言ってみるとアンシャルは安定のジト目。中也は複雑そうな表情。芥川君は畏まった態度で自己紹介をされた。
誰もつっこんでくれない…しゅんとしているとまたノックが聞こえた。
扉は勢いよく放たれ姐さんが飛び込んできた。
そのまま私に突っ込んできた。
え、デジャウなんですけど。

「ふぐうっ!?」

尾「A…!起きたのじゃな!元気そうで何よりじゃ…!」

姐さんは突撃と言う名の抱擁をしてくれた。
私を抱きしめて無事を喜んでいるが今ので無事じゃなくなった。
抱き"絞める"なんだよ。絞められてるんだよ。
身動きの取れない憐れな私は雑巾のようにぎゅーっと絞られていく。
ぐったりとしている私を見かねて中也が

中「姐さん、そろそろ…」

尾「む、仕方がないのう。」

姐さんは名残惜しそうに私を放した。
解放された私はしんなりとしながら椅子に項垂れる。
側で芥川君がわたわたしていたのが可愛くて少し回復。

彼等は今回の件で結構巻き込まれていたから説明するけど他は良いかと森さんを視野から外して本題に入る。

ア「A、二人が来たことで解けてるから…」

「そうだね…異能力"狂言の神"
──目を隠す──。」

私はもう一度部屋の認知を薄くする。

「今度こそ話をしよう。中也は二度目で悪いんどけど詳細を加えるから聞いていてほしい。実は─────」


全てを話終わると喉はカラカラになっていた。
それを見かねた中也がお茶を入れてきてくれた。
お茶を飲んでいると執務室の一角でアンシャルが金色夜叉と黒獣に追いかけ回されていた。
姐さんいわく

尾「こんないたいけな娘にそんな重荷を背負わせるものでない!Aは何一つ悪いことなど無い!!」

それから夜叉はアンシャルをロックオン。
芥川君も

「太宰さんの姉上の為なら…貴様を八つ裂きに…」

姐さんと同様に黒獣がアンシャルをロックオン。

夜叉の刀の鋭い切っ先がアンシャルの側を突き刺さり、黒獣が牙をむく。
どたどたと騒ぐが私の異能力で気付かれることはない。
私が逃げ惑うアンシャルを楽しそうに見てると、中也が部屋が壊されるのが困るので止めてほしいと言われた。

命拾いしたな。

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甘栗(プロフ) - ウナさん» どんどん中也さんの活躍増やしていこうと思ってます!ドキドキしてもらえるように頑張ります! (2019年4月4日 19時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
ウナ - うわあ、もうかっこよすぎです、中也!!やばいですよもう!凄いです! (2019年4月4日 18時) (レス) id: 0bc8f10023 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - チョコ味の白兎さん» 確かに口調が敦君みたいですね(笑)色々な関係が動く予定なので楽しみしててください! (2019年3月30日 20時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - 雪宮暦さん» カッコいい中也を目指してるのでそう言って貰えて嬉しいです! (2019年3月30日 20時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
チョコ味の白兎 - 最後のセリフが敦くんっぽい!ここからの展開が楽しみ! (2019年3月30日 17時) (レス) id: 8cc010c4ca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘栗 | 作成日時:2019年2月28日 16時

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