120話 ページ50
敦「こいつらは一体…!?」
男を追いかけるにも人形が邪魔で追いかけられない。
奴はAさんの事を知っている筈だ。
全身全霊の力で叫ぶ。
敦「Aさんを返せ!」
すると男はピタリと足を止めて此方に振り返った。眼光は鋭く、人を射殺せそうだ。
男「返す…?元よりあの娘は俺のものだ。」
どういう事だ?聞く間もなく男は今度こそ去っていった。
今すぐに捕まえて問いたださねば。
ガシャガシャと音を鳴らして行く手を阻んでくる人形を壊そうとすると
院「何をしている。」
敦「っ!?い、院長先生っ!?」
過去の思い出が蘇り、動きが止まる。
鏡「危ないっ!」
後ろに迫っていた人形に捕まりそうになった所を鏡花ちゃんの声により間一髪で避ける。
前を見ると院長先生はいなくなっていた。
何なんだ今のは?
周りを見回して人形達から距離を開けると
院「まだ逃げる気か。」
人形の中にまた院長先生が現れた。
ヒューヒューと荒い息をする僕に鏡花ちゃんは
鏡「落ち着いて。あれから人の気配がない。」
敦「鏡花ちゃん、どういう事?」
言っていることがわからず、鏡花ちゃんに聞き直す。
鏡花ちゃんは刀を構えながら側に来る人形を破壊していく。
鏡「あれは、異能力によって写し出された幻影。私も先程…母さんが襲ってきた。」
人形を切る鏡花ちゃんはそこはかとなく悲しそうだ。
鏡「母さんはあんなこと言わない。真っ赤な嘘だ。」
きっぱりと言い切る鏡花ちゃんに負けじと立ち向かわねばと震える体に鞭を打って奮い立たせる。
やはり目の前には院長先生が現れる。何も言わず、此方を見てくる。
僕は虎の爪を振りかぶって辺りを一掃した。
僕はあの時の僕じゃない。
"それでいい"
そう言われた気がした。
全ての人形を破壊し終わると僕と鏡花ちゃんは先程の異能力について話をしながら体を少し休ませた。
敦「Aさんが抵抗できなかったのって今の人形のせいじゃないかな?」
Aさんはとても優しい人だ。
少ししか関わったことのない僕ですら何気ない仕草で思いやりが伝わってくる。
鏡「断定はできないけど可能性としては高い。気になるのはあの男の言葉。」
"元よりあの娘は俺のものだ"
あの男とAさんとの繋がりはわからない。
敦「行こう。」
僕では考えてもわからない。
なら、直接会って聞いてみればいい。
一刻も早くAさんを助けないと太宰さん達が暴走してしまう。
僕達はホールを後にした。
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甘栗(プロフ) - ウナさん» どんどん中也さんの活躍増やしていこうと思ってます!ドキドキしてもらえるように頑張ります! (2019年4月4日 19時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
ウナ - うわあ、もうかっこよすぎです、中也!!やばいですよもう!凄いです! (2019年4月4日 18時) (レス) id: 0bc8f10023 (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - チョコ味の白兎さん» 確かに口調が敦君みたいですね(笑)色々な関係が動く予定なので楽しみしててください! (2019年3月30日 20時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
甘栗(プロフ) - 雪宮暦さん» カッコいい中也を目指してるのでそう言って貰えて嬉しいです! (2019年3月30日 20時) (レス) id: 8ba49da6fd (このIDを非表示/違反報告)
チョコ味の白兎 - 最後のセリフが敦くんっぽい!ここからの展開が楽しみ! (2019年3月30日 17時) (レス) id: 8cc010c4ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘栗 | 作成日時:2019年2月28日 16時