旦那様と壁の向こう (ページ31)

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『どうやって抜けようかな…』

周りをキョロキョロ見てから壁に触れると

『あ、意外と行けるかも…』

壁に手の平をくっ付けるとスライムのような柔らかさになり壁の向こう側に行くことが出来た

『旦那様のお力は…』

そんな事を考えるより足を進めていると半日で着いた

『お昼ぐらいに着いたな』

ボロボロの廃墟となっている居た場所に着いた

『入るだけで勇気いるな』

深呼吸をして足を踏み入れる、紙が沢山散らばっており1枚ずつ拾い集める

『何の紙かわからないけど、集めたらわかるよね』

散らばっている紙を拾い集めて一枚ずつ読み進める

『わかったことは…』

①一度使用した能力により使った力と記憶を忘れる事
②その力を発動したら壁の向こうには出る事が出来ない事

私が覚えてないのは力を発動して忘れてしまっていた事そして…壁を越えられない事

『何でさっきは出る事が出来たの？』

他に資料が落ちてないかもう一度周りを見るが

『落ちてないか…他の部屋か？』

他の部屋に足を進めるとまた紙が散らばっていた

『また初めっからか』

ため息をして一枚ずつ拾い集める

『この部屋の紙はこれだけか』

他の部屋にも散らばっているかもしれないと思ったが、とりあえず拾った紙を持ってさっき居た場所に戻って来た

『さて』

座り読み始める

わかった事は
①許可が下りれば通れる
②触った感触はスライムで自然と体に馴染むような感触

『許可って誰の？』

旦那様？

私は旦那様が許可をしたのかと思うことにした

『許可制なんだ…』

苦笑いをして他の部屋にも足を進める

『もう無さそうだな』

読んでいた資料を全て纏めて鞄に入れ廃墟から出ようとするととある方向に目を向ける

『あれ？あんな部屋あったっけ？』

さっき全ての部屋を見たと思っていたけどまだ見てない部屋らしい

『入る？』

シーンとした部屋に呟く

『危ない部屋かな？一人で入っても大丈夫なのかな？』

旦那様には ”一人で行く” と伝えたが

『何があるかわからないし、やめといた方が良いかも』

私はそこに入るのはやめて屋敷に戻ることにした

『ただいま戻りました』

そう言うと旦那様が出迎えてくれる

「おかえりなさい、報告よろしくね」

そう言って私に言う

『はい、報告書が出来次第お持ちいたします』
「うん、待ってるね」

そう言って旦那様は部屋に戻って行った

『書類をまとめないと…』

自分の部屋に戻り書類を纏めて必要なものを打ち出す