検索窓
今日:27 hit、昨日:1 hit、合計:1,134 hit

メモNo.25(私とあらかわさん) ページ30

七夕当日にあらかわさんが短冊を見ていた

「あらかわさんおはよう」
『おはよう』

あらかわさんは挨拶をしてからまた短冊を見ている

「何で短冊見てるの?」
『どんなお願い事書いたかなーって思って』

そう言って私はあらかわさんの隣に座って自分の短冊に手を伸ばしてひっくり返して見るとあの文章のままだった

『それが愛華の書いた短冊?』
「うん、叶わなかったから捨てようって思って」

自分の短冊を笹から外そうとするとあらかわさんに止められる

『俺の願い事叶えてないから外さなくていいよ』
「でも…」

私のお願い事なんて絶対に叶わないから外した方がいい

『まず、俺のお願い事から叶えてもらうか』
「え?」

あらかわさんは私を見て膝の上をポンポンとするから私はとりあえずあらかわさんの膝の上に向き合うように座ると優しく抱きしめられる

「あらかわさん?」
『なぁ、愛華』
「何?」
『俺が今の奥さんと別れるって言ったらどうする?』
「え⁈離婚するの⁈」

驚いてあらかわさんの方を見るとあらかわさんは笑って

『まだ決まったわけじゃない、例え話だ』
「良かった…」
『良かったのか?』
「うん」

あらかわさんは不思議そうな顔をしている

「あらかわさんが今の奥さんと結婚して幸せなら私は嬉しいよ?」

そう返せばあらかわさんは

『お前が違う意味で喜ぶかと思った』
「私はそこまで最低な人間じゃないもん!」

少しだけ怒ってむーとするとあらかわさんは

『悪かった、冗談だ』と言って頭を優しく撫でてくれる

「あらかわさんは今の奥さんと別れたいの?」

真剣な顔をして聞くとあらかわさんはいつもの優しい顔で

『別れたくはないな、奥さんに結婚したい人が出来るまでは』

と言われて私に向ける優しい顔とは別で優しい顔をしている、この優しい顔は奥さんに向ける優しい顔なんだ…

「そうだもんね…」
『愛華?』

しょんぼりしている私にあらかわさんの手が頬に触れて上を向かされる

『愛華、好きだよ』
「私も好きだよ、あらかわさん」

ニコリと笑って言うとあらかわさんは

『愛華』
「何?」

あらかわさんを見ると

『いや、愛華が幸せならそれでいい』
「私はあらかわさんと一緒に居れるだけで幸せだよ」

そう言ってニコリと笑ってあらかわさんを抱きしめた

あらかわさんが居てくれるだけでいいのに…
でも…あらかわさんの全部がほしい…
心も体も…
叶わないのに願っても意味ないよね…

メモNo.25-2(私とあらかわさん)→←メモNo.24(私とあらかわさん)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:赤月元愛 , メモ帳欄
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:P4lwL6FvcvmThfX | 作成日時:2022年2月18日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。