第38話 ページ40
学園長先生は私の腕を引いたまま、ズンズンと歩いていく。私と学園長先生にも身長に大きな差がある。私は必然的に小走りになり、ついていくことに必死だった。
『あのっ、ど、何処へ向かって……』
「ああ、学園長室ですよ。全寮長に声をかけておきましたので、顔合わせをしましょう。あなたはこの学園において稀有な存在ですからね」
ニコニコ笑いながら学園長先生はいう。笑顔の裏には相変わらず思惑がありそうで、真意は読めない。いい人なのだとは思うのだけれど、信じきれない。
少し不安な気持ちを抱えながら、学園長先生の後を追った。
学園長先生は、大きな扉の前で足を止めた。
私は息を整え扉を見つめる。
「では開きますよ」
私の返事を待つことなく、学園長先生は扉をバン、と開いた。
学園長室の中にいたカラフルな髪色の生徒たちが音に気付いてこちらへと振り向く。
「おはようございます、みなさん！全寮揃っていますか？」
「おはようございます、学園長。はい、揃っています。本日はどのようなご用件で？」
学園長先生の言葉に返事をしたのはアズールさんだった。私の姿を見ると一瞬キョトンとしたものの、納得したようににこりと笑う。
「寮長である皆さんに、顔合わせをしておいて欲しい方がいましてねぇ……急ではありますが召集しました。Aさん、こちらへどうぞ」
恐る恐る学園長の隣へと歩み出る。
アズールさん以外の方の視線が一斉にこちらへと移り、思わず両手を握り締めた。注目されることに慣れていないので隠れたい気持ちでいっぱいだったが、学園長先生が肩に手を回しているので隠れることはできない。
「Aさんです。昨夜からナイトレイブンカレッジの生徒になりました。ユウくん同様、異世界からこの世界に飛ばされてしまったようで……困っていましたので、優しい私が入学を許可しました。……Aさん、挨拶を」
『……AAです。宜しくお願いします……』
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小崎相良(プロフ) - 錨絡さん» 台詞の中に違和感なく潜んでるのがいいですよね。そんな要素を探すのもツイステの楽しみですし、ツイステから入った方に、そういうささやかな楽しさを伝えていきたいです(o´艸`) (2020年8月9日 15時) (
レス) id: 5536140bcb (このIDを非表示/違反報告)
錨絡(プロフ) - 小崎相良さん» アリス、というかディズニー全般歌が多いから、余計に勘ぐってしまう…好きだなぁやっぱり (2020年8月9日 15時) (レス) id: b3cb4375d4 (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 錨絡さん» コメントありがとうございます。そうなんですよね！細かいところに原作の要素が散りばめられてて、気づくとあっ！ってなります。 (2020年8月9日 15時) (レス) id: 5536140bcb (このIDを非表示/違反報告)
錨絡(プロフ) - 春の庭、春の庭…アリス、……ゴールデンアフタヌーンを入れ込んでたのか…さすが制作陣。拘るなぁ…とても好き (2020年8月9日 9時) (レス) id: b3cb4375d4 (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - マチさん» コメントありがとうございます！お気に入りいただけてとても嬉しいです！不定期更新ではありますが、これからもよろしくお願いいたします。 (2020年7月28日 0時) (レス) id: 5536140bcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小崎相良 | 作成日時：2020年6月6日 10時
