Another:芽衣 ページ34
春草さんが絵を描いているところを眺めていると、玄関から慌ただしい声が聞こえた。声の主は音二郎さんで、どうやら森さんを探しているようだった。
「……君はここにいて」
絵を描いていた春草さんは一言そう呟くと、すぐに席を立ち玄関へと向かう。
私は開いたままの扉に聞き耳を立てた。
「菱田！なぁ、森先生は？」
「え……お、鴎外さんなら書斎に……」
音二郎さんの焦った声と春草さんの戸惑う声が聞こえる。
いつもの音二郎さんからは考えられないほどの焦った声に不安を感じた。
こんな遅い時間に訪ねてきたという事も理由の一つの原因だろう。
「芽衣は？！」
「……そこにいるけど」
名前を呼ばれたので慌てて玄関へと顔を出す。
「こんばんは、音二郎さ」
「A知らねぇか？！」
視界に入った音二郎さんは汗だくだった。
顔色もいつもより悪い。それは舞台で見た白雪さんの白さとは違う、血の抜けたような青白さ。体調が心配になるほどだ。
音二郎さんは私が言葉を言い終える前に、被せて問いかけてきた。その表情は怖いくらいの迫力だ。雰囲気に怖気ついた私は一歩後ろへ下がろうとしたがその瞬間、音二郎さんが両手で私の両手首をそれぞれ握った。一瞬の出来事だった。逃がさない、とでも言いたげなその行動に私は困惑する。
「えっと？」
「今日一緒に観劇してただろ？！」
「はい、してました……でも、一緒にいたのは観劇していた間だけで、その後すぐに別れたので、どうしたかはわからないんですけど……」
「……ここにはいないってことか……」
私の言葉に、音二郎さんが体の力を抜いた。
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小崎相良(プロフ) - 閃光のまりあんぬさん» コメントありがとうございます！不定期な更新ですみません(>_<)藤田さんカッコいいですよね！少し不器用な優しさにキュンときます(o´艸`) (2020年2月20日 9時) (
レス) id: b334f4b37a (このIDを非表示/違反報告)
閃光のまりあんぬ - とっても面白いです！！ 更新頑張ってください！ 楽しみにしてます☆ ちなみに私は藤田さんファンです…！ (2020年2月19日 23時) (レス) id: 68c769878e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小崎相良 | 作成日時：2019年8月13日 19時
