第拾肆話＿十一日目 ページ19
明治時代に来てから、毎日毎日が目まぐるしい。
昨日の “非現実的な事象” は科学の力が発達して信仰心の低くなった “現代” では起こり得ない、体験できないことだろう。
自分自身が魂依の力を得たことで、物の怪の存在がとても身近になった。
現代では出会わない物の怪たちが、当たり前に信じられ、存在する時代。
私自身、この力が現代にいた頃から備わっていたものかは分からない。物の怪という存在自体は現代でも存在は語り継がれていたものの、見たという話も、魂依という存在も聞いたことがなかった。怪談話として “そういう生き物がいるかもね(笑)” 程度だったのだから。
しかし、見かけない理由が現代の科学の発展の末だというのなら……、現代社会が彼らは住処と存在を奪ったのだとしたら……そう考えると複雑だ。
今日のお座敷の予約が午後8時からだと聞いた私は、日課のナイルさん探しへと向かう。
以前のいるかいないか分からないけど探す、という心持ちは鏡花さんによって存在が確認されたことで少し前向きになった。
探索する範囲も初期に比べて広くなった。以前よりも歩くことにも慣れてきたからか、それとも心持ちが軽いからなのかは分からないけど。
……明治での生活に慣れてきたのだろうか？
当てもなくふらふらと歩いていた時だった。
「あ！Aさんっ！」
背後から声をかけられた。
声に振り返るとそこに立っていたのは芽衣さんと森さん。
芽衣さんがパタパタとこちらに駆け寄ってくる。そんな芽衣さんを追って、森さんは後ろからゆったりと歩いてきた。
『芽衣さんに森さん、こんにちは』
「こんにちは、Aちゃん」
「こんにちはっ！Aさんはお出かけですか？」
芽衣さんがそう言って首を傾げた。
『お出掛けというよりかは人探し中です』
「……あれから進展はありましたか？」
『少しですけど……。鏡花さんが一度ナイルさんに接触したそうです。普段どこにいるのかとか聞いてくださったんですけど、上手くかわされちゃったみたいで……いるにはいるみたいなのですが……』
「そうですか……でも一歩前進ですね！」
そう言って芽衣さんはにっこりと笑った。自分のことのように喜んでくれるその姿に心が暖かくなる。
『うん。ところで……お2人はデートですか？』
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小崎相良(プロフ) - 閃光のまりあんぬさん» コメントありがとうございます！不定期な更新ですみません(>_<)藤田さんカッコいいですよね！少し不器用な優しさにキュンときます(o´艸`) (2020年2月20日 9時) (
レス) id: b334f4b37a (このIDを非表示/違反報告)
閃光のまりあんぬ - とっても面白いです！！ 更新頑張ってください！ 楽しみにしてます☆ ちなみに私は藤田さんファンです…！ (2020年2月19日 23時) (レス) id: 68c769878e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小崎相良 | 作成日時：2019年8月13日 19時
