第卅参話＿聞き込み ページ36
変な人がいる。そう思った。
菱田さんと別れてからもナイルさん探しを続けていると、大通りで聞き込みをしている人がいた。
その人は道行く人にヤマタノオロチについて尋ね回っている。
……わけがわからない。
他の人もそうなのだろう。見ている限り、道行く人の反応も少々冷たく、一言二言返して去っていく感じだ。
あの人は一体何をしているのか。
ヤマタノオロチというものが、空想上の生き物だと思っている私はとても複雑だった。
まぁ、物の怪がいる世だし、ヤマタノオロチくらいいるのかもしれないが。
「こんにちは娘サン！」
『？！』
ぼんやりしていたら話しかけられた。
まず視界に入ったのは淡い紫色の髪。タキシードを着こなす眼鏡のその男性は、ニコニコと覗き込むようにこちらをみている。
『え？あ、こんにちは……』
「私はこういうものです！」
そう言って手渡される名刺。名刺にはラフカディオ・ハーンと書かれていた。
『ラフカディオ……あ、確か、小泉……』
「That's right！よくご存知ですね！そうです！小泉八雲です！」
この人も有名な人だ。有名人ばかりに会う気がする。それと同時に街中でこんなにバッタリ会うものなのかと、少々複雑な気持ちになった。
小泉さんはこちらの気持ちには気付いていない様子で、ニコニコと話しかけてくる。
「ヤマタノオロチを探しているのですが、ご存知ありませんか？」
『や、ヤマタノオロチですか？』
「はい！……もしや、ヤマタノオロチをご存知ない？！……ではご説明致しましょう！ヤマタノオロチとは『古事記』に登場した伝説上の生物なのです！なんと、８つの頭と8本の尾を持つ神秘の怪物が８つの谷８つの峰にまたがるほど巨大な……」
『……』
語り出した……ヤマタノオロチについてそれはそれは嬉しそうに語る小泉さん。
たくさん語っていただいたが、見たことも情報も持たない私にはどうすることもできない。
『すみません、見かけてないです』
「オゥ……そうですか……この辺りで見かけたと言う情報を手に入れたので探しに来たのですが……」
「…………おい」
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小崎相良(プロフ) - あららさん» コメントありがとうございます！私も芽衣ちゃん好きです！こちらこそ、これからも宜しくお願いします！ (2019年6月30日 20時) (
レス) id: bb37bfea9e (このIDを非表示/違反報告)
あらら - めちゃくちゃ面白いです！めいちゃん好きなんで話に出てきて嬉しいです！これからも更新を楽しみに待ってます！ (2019年6月29日 23時) (レス) id: 3866ce7f97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小崎相良 | 作成日時：2019年6月15日 0時
