第49話:擁護 ページ9
頭の中でぐるぐると考えて、浮かんでくるのは負の感情ばかり。
自分の事を悪い方へ悪い方へと考えてしまう。
あの時、小屋に入らなければ。
あの時、躊躇わなければ。
後悔は積もるばかりで減る様子は無かった。
その理由は分かりきっている。
後から悔いるから“後悔”と言うのだ。
唯一の自らの能力“個性”ですらも生かせない。
自分にできることは？
自分の居場所は？
自分がいる意味は？
考えても考えても結論は出ない。
今までどれくらいこの事について考えたのだろうか……。
わからないことばかりで、溜息が出る。
「……A」
爆豪君が声を掛けてきた。その表情があまりにも真剣で息を飲む。
「……てめェは頑張り過ぎだ。今いる場所はてめェが過ごしてきた場所とちげぇだろ」
爆豪くんがじっとこちらを見つめている。
笑うでも、からかうでも、同情するでもない。
燃えるような赤い双眸は真剣だった。
「頑張ることが悪い事だとは言わねぇ。どんな事にも相応の努力が必要で、努力しなければ何も得られねぇからな。でもAは、今まで頑張ったんだろ」
『……』
真剣な表情だったが、声色の中に優しさが含まれていた。
その声はまるで物語を紡ぐかのよう。
爆豪くんはこちらをじっと見つめ、穏やかに、諭すように話す。
「俺たち雄英の生徒はヒーローを目指している。ヒーローは市民の味方だからヒーローなんだよ。俺も切島もクラスの奴らも、テメーの味方だ。我慢すんな」
「そうそう！いつだって頼れよ！Aが寄りかかったくらいじゃ、俺たち倒れねぇからな‼」
切島くんが歯を見せてニッと笑う。
太陽のような笑顔になんだか心があったかくなった。
弱音を吐き出せと一方的に言っているのではない。
短い時間の中で性格を考えてくれて、理解してくれたのだ。
そしてその上で自分が抱え込む事を前提として、仲間として“支える”と示してくれている。
……俺たちは味方だ、と。
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小崎相良(プロフ) - 変更の予定はないです。すみません(＞＜)こんな長い作品を読んでいただきありがとうございます。完結している作品ですので、最後まで見守って頂けたら幸いです！ (2021年8月6日 22時) (
レス) id: 4379f20890 (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 来世は天海くんと最原くんのかれぴになりたいさん» コメントありがとうございます。特にこだわりはないですけど、初めての作品ですしこのまま残しておきたいなって思っています！“増やす”というのはヒロアカに出てくる傑物学園の真堂揺くんの“揺らす”から派生させて考えたものですので、 続→ (2021年8月6日 22時) (レス) id: 4379f20890 (このIDを非表示/違反報告)
来世は天海くんと最原くんのかれぴになりたい - あと増幅とか（なんか上から目線ですみませんでした） (2021年8月5日 21時) (レス) id: 06f475297c (このIDを非表示/違反報告)
来世は天海くんと最原くんのかれぴになりたい - 個性の名前増やすってちょっとアレだから増加じゃダメなんですか？ (2021年8月5日 21時) (レス) id: 06f475297c (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 星が赤色に！閲覧本当にありがとうございます！ (2019年8月4日 0時) (レス) id: e7650e4ec8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小崎相良 | 作成日時：2019年2月2日 17時
