第40話:前進 ページ47
視線を上げて視界に映ったのは、切島くんだった。思わず目を見開く。
「大丈夫か?」
切島くんの言葉にこくりと頷くと「ごめんなー」と苦笑いをされた。
訳がわからず、首をかしげる。
「あいつら、俺のダチなんだよ。Aのこと怖がらせたからさ……」
『……』
「優しい、良い奴らだから、話してみないか?俺も立ち会うし……な?」
そう言って眉を下げつつ、にこりと笑って後ろを指差した切島くん。
指につられてそちらを見ると、先ほどの2人が申し訳なさそうに立っていた。
「さっきはごめん!俺、Aの名前が知りたかったんだ!その、少しでも、仲良くなりたくてさ……でも焦り過ぎてた!本当にごめん!」
「俺も、自分の気持ちばっかり押し付けて……ごめんな、許してくれるか?」
……そういえば相澤先生は苗字しか伝えてなかった。
クラスメイト達に、自己紹介出来てなかったのか。
校長先生にもらったノートを出し、サラサラと文字を書く。
『……【切島くん、クラスのみんなに、伝えたいことがあります】』
「!」
文字を読んで、切島くんが教室にいる人たちに声をかける。
視線が集まり、体が震えてきた。
……大丈夫。
大丈夫。
彼らとクラスメイトとして過ごすんだ。
少しでも馴染めるように。
伝わるように。
届くように。
前を向く、第一歩を。
『……【AAです。まだまだ不慣れなこと、克服するべきことがたくさんありますが、皆さんと楽しんですごせたらいいなと、思います。これから、よろしくお願いします。】』
文を書いたノートをクラスメイトたちに向かって見開く。
短い文章かもしれない。
けれど、自分の今の気持ちを、これからのことを精一杯書いた。
「おう!」
「そうか!よろしくな!A!」
「困ったことがあったら教えてね!」
「ケロ、私たちはAちゃんを歓迎するわ」
「A君!怖がることはない!僕は君が嫌なことはしないと約束しよう‼」
「Aさん、自分のペースでいいからね!」
「うん!よろしくね!Aさん!」
「ああ。」
「………」
『〜〜〜‼』
クラスメイトたちからの返事。横を見ると嬉しそうに笑う切島くん。
このクラスでなら、頑張っていける気がした。
ーーーーー
補足
クラスメイトたちのセリフは上から、
上鳴くん、瀬呂くん、芦戸さん、梅雨ちゃん、飯田くん、麗日さん、緑谷くん、轟くん、爆豪くんです。
伝わりますかね?(o´艸`)
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小崎相良(プロフ) - 評価150票!皆様、ありがとうございます!嬉しさでにやにやしております(笑) (2019年7月12日 19時) (レス) id: be5de34a4a (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 瀷さん» コメントありがとうございます!頑張ります(´∀`*) (2019年6月1日 20時) (レス) id: fd7aceb583 (このIDを非表示/違反報告)
瀷 - 弔推しなんですけど、初登場が可愛いw頑張ってください! (2019年6月1日 19時) (レス) id: 3960a531d7 (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 充希さん» ありがとうございます!どの場面でしたか?訂正したいので、教えて頂けると嬉しいです (2019年3月13日 23時) (レス) id: 4835e70326 (このIDを非表示/違反報告)
充希 - オールマイトの一人称は僕ではなく、私です! (2019年3月9日 13時) (レス) id: 1c94acc086 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小崎相良 | 作成日時:2018年9月30日 14時