第35話:入学 ページ40
翌朝、保健室に校長先生と真っ黒で包帯ぐるぐる巻きの男性が現れた。
……見覚えがある。あの時、死柄木さん達と戦ってた人だ。
「おはよう!Aさん!」
校長先生の言葉にぺこりと頭を下げる。
「体調も良さそうだね、よかった!そしたら、はいこれ!君の制服だよ!」
『!』
そう言って渡されたのはハンガーにかけられた制服と紙袋だった。
グレーと深緑のジャケットタイプの制服一式に加えて、紙袋の中には上靴・ローファーが入れられていた。
驚いて校長先生を見つめていると、「僕からの入学祝いだよ!」と良い笑顔をいただいた。
……どうしよう、校長先生が可愛く見える。
それにしても……なんと手厚い待遇なんだろう。
今までがおかしかったのか、今がおかしいのかもうわからないが。
とりあえず、良い待遇がありがたすぎて、校長先生にはもう逆らえないなぁ……などと考える。
「それとひとつ。君がオールマイトと行動するにあたってお願いがあるんだ。」
『?』
「一つ目。オールマイトの体のことは、誰にも他言しないこと。
二つ目。体の不調や敵からの接触があったらすぐ近くの教員に報告すること!
この二つを守ってくれれば、僕がAさんの衣食住は保証するからね!」
毎回こういう何かにつられて、ほだされてしまっている気がする。
とりあえずは迷惑をかけないようにしないと……
出された“お願い”の拒否は、怖いのでするつもりはない。
ここでの生活がこれまでよりも、良い環境であることを祈ろうと思う。
「あ、それと……紹介するね!こちら、1-Aの担任の相澤くん」
「相澤消太です。よろしく……」
『……【AAです。よろしくお願いします】』
「じゃあA、早速で悪いが着替えてくれ。そろそろホームルームが始まる」
相澤先生の言葉に頷くと、校長先生と相澤先生が保健室を後にする。
誰もいなくなった保健室で急いで着替えて廊下に出ると、相澤先生が壁にもたれて待っていた。
お待たせしてしまったなと思い、ぺこりと頭を下げると「……行くぞ」と歩き出す先生。
慌てて追いかけると急に歩くスピードが遅くなった。……歩きやすい。
相澤先生が気を使ってスピードを緩めてくれたようだった。
……怪我人に気を遣わせてしまったな……
歩いて数分、教室の前にたどり着いた。
扉を挟んだ向こう側から、賑やかな声がした。
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小崎相良(プロフ) - 評価150票!皆様、ありがとうございます!嬉しさでにやにやしております(笑) (2019年7月12日 19時) (レス) id: be5de34a4a (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 瀷さん» コメントありがとうございます!頑張ります(´∀`*) (2019年6月1日 20時) (レス) id: fd7aceb583 (このIDを非表示/違反報告)
瀷 - 弔推しなんですけど、初登場が可愛いw頑張ってください! (2019年6月1日 19時) (レス) id: 3960a531d7 (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 充希さん» ありがとうございます!どの場面でしたか?訂正したいので、教えて頂けると嬉しいです (2019年3月13日 23時) (レス) id: 4835e70326 (このIDを非表示/違反報告)
充希 - オールマイトの一人称は僕ではなく、私です! (2019年3月9日 13時) (レス) id: 1c94acc086 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小崎相良 | 作成日時:2018年9月30日 14時