第26話:抵抗 ページ30
石を降らせたところでこのままここにいても力尽きるだけ。
移動を試みてみたが、栄養が足りていない体では、動けそうにない。
熱も無いのに頭はクラクラするし、指先に力が入らない。
上半身が起こせない
『個性』も役に立たない
……心が折れかけた時だった。
先程の赤い髪の男の子が、多分『個性』を使って石を弾いていた。目を開けるとひび割れて固そうな腕で頭上の石を避けながら近づいてくる。落ちる石の数を増やしてみたが、効果はないようで彼の歩みが止まることない。
『〜〜〜〜っ!』
来て欲しくないのに
1メートルもないくらいの至近距離で目が合う。
必死で睨みつける。
しかし、彼に気にせず進んでくる。そして、
赤い髪の彼は目が合うとニコッと笑った。
……………………………笑った?
瞬きを繰り返す。なんだ?どういうことなのかよく分からない。
彼は腕の部分の『個性』を解くとポンと頭の上に手を置いてきた。
思わず思考が外れる。石の雨を忘れるくらいに。
彼はニッコリ笑いかけながら頭をゆるりゆるりと撫でる。撫でてる。撫でられてる。
『……⁉⁉⁉⁉』
「俺たちは何もしねーから、な?」
彼の言葉に首を傾げる。
「あー……っと、血が出てるから手当てしたいんだ」
『!』
そう言いながら、もう片方の手で自らの額を指差す。なでなでは止まりそうにない……
「んー、あ、俺は切島鋭児郎。名前、言えるか?」
声が出ない為、なんとなく気まずくて顔を逸らす。……切島くんには悪いが。
すると「内緒かー」なんて声が聞こえてきた。率直な人なのだろうか?
表情がとてもコロコロ変わる。名乗ったということは、彼には敵だとは思われていないのかもしれない。少しだけホッとする。
まだ自分にとって周りは敵だらけなので気抜けないけれど……
『……』
「……んっとな、ここじゃ……」
「どうしましたか?切島くん」
「セメントス先生!実は敵の女の子と思われる子が……」
「切島くん離れて下さい!」
『……っっ‼‼』
突然地面がぐにゃりと曲がり体を包み込んだ。
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小崎相良(プロフ) - 評価150票!皆様、ありがとうございます!嬉しさでにやにやしております(笑) (2019年7月12日 19時) (レス) id: be5de34a4a (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 瀷さん» コメントありがとうございます!頑張ります(´∀`*) (2019年6月1日 20時) (レス) id: fd7aceb583 (このIDを非表示/違反報告)
瀷 - 弔推しなんですけど、初登場が可愛いw頑張ってください! (2019年6月1日 19時) (レス) id: 3960a531d7 (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 充希さん» ありがとうございます!どの場面でしたか?訂正したいので、教えて頂けると嬉しいです (2019年3月13日 23時) (レス) id: 4835e70326 (このIDを非表示/違反報告)
充希 - オールマイトの一人称は僕ではなく、私です! (2019年3月9日 13時) (レス) id: 1c94acc086 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小崎相良 | 作成日時:2018年9月30日 14時