第25話:拒絶 ページ28
声がして目覚めた。
うっすらと目を開けて目の前に見えたのは、地面と茶色い靴だった。
……この靴は死柄木さんでも黒霧さんでもない。
視線を上へと進めて見えて来たのは、桃色の髪に紫を基調としたまだら模様の服を着た女の子。その隣には赤い髪でズボンの腰あたりに布を巻いた男の子。その奥には緑の服を着た女の子。
……緑の服を着た女の子?
……死柄木さんに狙われたあの子だった。
ま ず い。
この子たちは死柄木さんの“敵だった”子たちだ。自分が死柄木さんの至近距離にいたのに、見られていないはずなどなく。
「ーーー…ってるぜ」
「確か、あの主犯の男の隣に居たわ」
「「…ってことは
声を揃えているところから、後の2人も関係性を認識したようで。
自分には3人がどんな個性を持っているのかわからない。後出ししたところで、人数には敵わない(そもそもここにはたくさんの生徒の子たちがいる)。
分かりきっていた。
……どうする事もできないが、今の位置では距離が近すぎる。
どうしたらいい……?
どうすれば……
離れてもらうには……?
いい方法がなかなか浮かばなかったが、ふと、大きめの石が目に入った。
そもそもの筋力が足りないので、この石を投げる力なんてない。1対3では正面から挑んでも勝ち目は薄い……というかゼロだ。
まわりを見ても死柄木さんの姿が見当たらないので、連合軍とやらは撤退している。
この場にいるのは、倒され置いていかれた死柄木さんの仲間と自分だけ。……倒されているということは“生徒の子たちに負けたという事”で。
かといって自分の“個性”では生徒たちに太刀打ちできる可能性も無くて。
思い浮かぶ感情は“怖い”だった。
近くに来ないで……寄らないで……
何もしないから何もして来ないで……
痛いことは嫌いだ…………!
恐怖心が強まり“近づかれてはいけない”“触れられてはいけない”そう考える。
ふと、先程投げれないと思った石を“増やして降らせたら”いけるのではと思った。
確信はないし、出てくる場所が選べるのかなんてわからない。
それでも。
石に唇を寄せて一か八か、3人の生徒の上から石が降るように願う。
思惑通り、3人の頭上に石が現れ、落下した。
絶え間なく降り注ぎ、地面の上でコツコツと音を立て転がる大量の石。
お願いします。
近寄らないでください。
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小崎相良(プロフ) - 評価150票!皆様、ありがとうございます!嬉しさでにやにやしております(笑) (2019年7月12日 19時) (レス) id: be5de34a4a (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 瀷さん» コメントありがとうございます!頑張ります(´∀`*) (2019年6月1日 20時) (レス) id: fd7aceb583 (このIDを非表示/違反報告)
瀷 - 弔推しなんですけど、初登場が可愛いw頑張ってください! (2019年6月1日 19時) (レス) id: 3960a531d7 (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 充希さん» ありがとうございます!どの場面でしたか?訂正したいので、教えて頂けると嬉しいです (2019年3月13日 23時) (レス) id: 4835e70326 (このIDを非表示/違反報告)
充希 - オールマイトの一人称は僕ではなく、私です! (2019年3月9日 13時) (レス) id: 1c94acc086 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小崎相良 | 作成日時:2018年9月30日 14時