第22話:失敗 ページ24
「〜〜〜っ‼‼‼」
「『個性』を消せる……素敵だけどなんてことないね。圧倒的な力の前では、つまりただの『無個性』だもの」
そう話している時だった。
モヤモヤとともに黒霧さんが戻ってきた。
「死柄木 弔」
「黒霧……13号はやったのか」
「行動不能には出来たものの、散らし損ねた生徒がおりまして……一名逃げられました」
「……………は?はーー……」
死柄木さんのため息が響く。
それと同時に首のあたりをボリボリと引っ掻いた。
死柄木さんはイライラすると、首回りをよくカリカリする(トランプをしている時もごく稀にやってた)。引っ掻き方からして、結構イライラしてる様子だ。
……計画が失敗したのかもしれない。
「はあー……黒霧、おまえ……おまえがワープゲートじゃなかったら粉々にしたよ……さすがに何十人ものプロ相手じゃ敵わない。
ゲームオーバーだ。あーあ…今回はゲームオーバーだ」
そう言って死柄木さんは「帰ろっか」と踵を返そうとした。
その時だった。
何かを思いついたかのように、歩みだした足をピタッ止める。
「あ、そうだ。帰る前に平和の象徴としての矜恃を少しでもへし折って帰ろう!」
そう言って岩陰にいた子どもの方へと駆け出す。顔に手を当てられたのは、“緑色のコスチュームを着た女の子”だった。
思わず目を瞑る。しかし、悲鳴も何の音も聞こえなかった。
恐る恐る目を開けると、“触れられているのに変化の起きていない”女の子の姿。
ハッとしてイレイザーヘッドを見る。
「チッ………本っ当かっこいいぜ、イレイザーヘッド」
視線の先には多分最後の力を振り絞り、女の子を守るイレイザーヘッドの姿があった。
力強い眼差しに思わず息を飲む。
その時だった。
「手っ……放せぇ‼SMASSH‼」
緑色の髪の男の子が死柄木さんめがけて殴りかかる。
しかしそのパンチは、移動して来た脳無に当たった。
脳無は叫ぶことも倒れることもなく、その場に佇む。
それを見て緑色の髪の男の子は驚いた。
「……っ‼いつの間に……ていうか、効いて……ない……⁉」
「いい動きをするなぁ……スマッシュって……オールマイトのフォロワーかい?」
そう言って、死柄木さんがニヤリと笑う。
「まぁ、いいや君」
「‼」
「ケロッ‼」
死柄木さんが緑色の髪の男の子に手を伸ばす。
緑色のコスチュームの女の子が舌を使い、2人の距離を離そうとしたその時。
壁の破壊音が聞こえた。
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小崎相良(プロフ) - 評価150票!皆様、ありがとうございます!嬉しさでにやにやしております(笑) (2019年7月12日 19時) (レス) id: be5de34a4a (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 瀷さん» コメントありがとうございます!頑張ります(´∀`*) (2019年6月1日 20時) (レス) id: fd7aceb583 (このIDを非表示/違反報告)
瀷 - 弔推しなんですけど、初登場が可愛いw頑張ってください! (2019年6月1日 19時) (レス) id: 3960a531d7 (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 充希さん» ありがとうございます!どの場面でしたか?訂正したいので、教えて頂けると嬉しいです (2019年3月13日 23時) (レス) id: 4835e70326 (このIDを非表示/違反報告)
充希 - オールマイトの一人称は僕ではなく、私です! (2019年3月9日 13時) (レス) id: 1c94acc086 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小崎相良 | 作成日時:2018年9月30日 14時