【ヒロアカ】ここにいる理由

第16話:軟禁 ページ18

手だらけの男について行って出会ったのは、黒い霧のようなものを纏ってスーツを着た何かだった。
これは人なのだろうか？
それともそれ以外の何かの生物？？
モヤモヤした男？はふと辺りを見回し挨拶をしたのち、「その子どもは……どちらから？」と手だらけの男に尋ねる。


「……もらってきた」

「どなたからですか？」

「盗賊？」

「……………そうですか。その子ども、どうされるんですか？」

「飼うよ」


飼うって……犬や猫じゃないんだから……この男にもペットみたいな扱いを受けるのか。
そんな奴の言うことを、また聞く羽目になるのか……

本当にろくな人生じゃないな。ただの一市民だったのに。

なんて考えていたらモヤモヤ男が目の前に立った。そしてペコリとお辞儀をする。
つられて慌ててお辞儀を返した。見た目怖いけどなんというか、礼儀正しい人だ。


「こんにちは、私は黒霧と申します。失礼ですがお名前をお伺いしても？」

「会話は出来ないってさァ……原因は過度のストレス」

「そうですか。不便ですが仕方ないですね。お名前がわかれば出生等もわかるかと思ったのですが」

「んなこと知ってどうするんだよ……」

「情報は力になります。知っておいて損はありません」


黒霧さんの言葉に手だらけの男は舌打ちをした。
情報が力になるのは確かにそうだが、自分の場合は異世界人なので、根掘り葉掘りこまれても困る。

ある意味話せなくてよかった……と、思う。


「とりあえず、一度アジトまで戻りませんか？死柄木 弔。このままここに居座り続けるのは……」

「……帰ろっか」

「はい」


そう言うと、死柄木 弔？さんは首輪についている鎖を引いて黒霧さんが作り出したモヤモヤの中へ入って行った。当然繋がれているので首から引っ張られる。

抵抗をしてみたものの力で叶うはずもない。
体はモヤモヤの中へとあっという間に飲み込まれた。





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