検索窓
今日:20 hit、昨日:13 hit、合計:286,027 hit

第5話:個性 ページ7

おじいさんおばあさんと暮らし始めてから数ヶ月。あることを知った。
この世界には『個性』と言うものが存在するらしい。世界の8割の人間が生まれながらにしてなんらかの「自然界の物理法則を無視する特殊能力」を持っているのだそう。
様々なその力はとても便利であると同時に危険であり、持っている『個性』次第では簡単に人を殺すこともできるという。

もちろん、おじいさんとおばあさんも『個性』を持っていた。
おじいさんは空気中から水蒸気を集めて水を作ることができ、おばあさんは少し先の未来を見ることができる。近所には犬のような嗅覚を持つ人や植物と会話できる人もいた。

自分もこの世界に来た時に『個性』を授かったようで、1つの物を2つや3つに『増やす』力を持っていた。

見つけたきっかけはご近所さんからもらったプリンだった。
その時は自分の分を食べて


『(もう1つあったらよかったのに)』


と、そう思った。そう願ったのだ。すると目の前に、先程食べたものと同じ新品のプリンが現れた。最初は目を疑った。隣には空のカップがあったものだから、間違えてもうひとつ食べようとしてしまったのかとそう思った。しかし、おじいさんおばあさんに確認するともう食べたという。しかし目の前にはもう1つ。おかしい。そこでこう考えてみた。


『おじいさんとおばあさんの分があったらいいのに』


机を見ると先ほど増えたものの他に2つ、合計3つの新しいプリンが現れていた。
本当になんでもありな世界である。
『個性』は人それぞれ。
利用方法も、考え方も人それぞれだ。うまく使わなければ。


『増やす』は、とても便利な『個性』だった。
そこでどこまでできるのか、どんなことができるのかを調べてみたが、なんでもできる、というわけではないようで。その事に気付くきっかけをくれたのは、おばあさんだった。


「ええ『個性』だなぁ、A」

『これが『個性』なんですね』

「ねぇAさん、これも増やせるかしら?」


そう言っておばあさんが差し出したのは湯呑みだった。先程同様、湯呑みが増えるよう願う。


『おばあさんのために、もう1つ湯呑みを……』


しかし目の前の湯呑みは増えなかった。


『?』

「増えないな?」

「どうしてかしらねぇ?」


そこでもう一度プリンを望んでみる。
プリンは4つに増えた。


『増えてる?』

「プリンは増えたなぁ(笑)」

「『個性』を使うのに何か条件があるかもしれないわねぇ」

第6話:発動条件→←第4話:居候



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (176 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
392人がお気に入り
設定タグ:ヒロアカ , トリップ , 僕のヒーローアカデミア   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

小崎相良(プロフ) - 評価150票!皆様、ありがとうございます!嬉しさでにやにやしております(笑) (2019年7月12日 19時) (レス) id: be5de34a4a (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 瀷さん» コメントありがとうございます!頑張ります(´∀`*) (2019年6月1日 20時) (レス) id: fd7aceb583 (このIDを非表示/違反報告)
- 弔推しなんですけど、初登場が可愛いw頑張ってください! (2019年6月1日 19時) (レス) id: 3960a531d7 (このIDを非表示/違反報告)
小崎相良(プロフ) - 充希さん» ありがとうございます!どの場面でしたか?訂正したいので、教えて頂けると嬉しいです (2019年3月13日 23時) (レス) id: 4835e70326 (このIDを非表示/違反報告)
充希 - オールマイトの一人称は僕ではなく、私です! (2019年3月9日 13時) (レス) id: 1c94acc086 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:小崎相良 | 作成日時:2018年9月30日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。