気付けばそこは地雷原2《萩原編》 ページ42
降谷side
意識を失った運転手のせいで暴走しているトラックを止めるため、僕は松田と萩原の手を借りて運転席に乗り込むことにした。運転手に代わり、この暴走車を止めるためだ。
「降谷ちゃん急げ！もう道がない！！」
萩原の叫ぶ声が聞こえる。
不幸なことに、今僕たちのいるこの道路は工事中の高速道路なようで道が途切れているようなのだ。それでも運転手をどうにかして助けないと……！！
そう思って運転手のシートベルトを外し、運転席に座った時
「アクセルだ……。アクセルしかねぇ……踏めぇゼロ！！！」
萩原の声のままに僕はアクセルを踏み込む。今からブレーキを踏んだところで間に合わないと考えたのだろう。僕も同じ考えだ。でもアクセルを踏み込むなんて、そんな。
そう思いつつも萩原を信じた。
目論見通り、途切れた道を超えて対岸に近づくトラック。しかし届きそうにない。
これまでか。
そう思って目を閉じたその時――
――パリィィィィイン
ガラスの音が空気を揺らした瞬間に上から光が差し込んだと思えば、いつの間にか感じている急激な上昇感に浮遊感。…………上昇感………？
「なぁんでここにゼロがいんのよ！！？」
そう言った声は確かに聞こえた。
聞こえた、あの愛しい、鈴を転がすような鳥の囀るような優しい声が。どんなに誤魔化されたって心がずっと覚えているあの声。あの子の声。
「……早く目覚めると良いんだけれど」
また聞こえたあの声。誰かを憂うような声が遠くで聞こえる。早く目を覚まさないと。これを逃したらもう会えないかも知れない。
無理やり目をこじ開け、事故のショックのせいかふらつく体に鞭を打ち、立ち去ろうとしているAの元に向かう。
もしまた拒絶されたらどうしよう、そんな思いもあるが、やっぱり会えた嬉しさに敵う感情なんてどこにも存在するはずがなく
「……Aか？やっぱりAなんだろう……？」
思ったよりもずっと情けない声が自分から出たけれど、気にしている暇はない。溢れる涙も、勝手に駆け出した足もすべてそのままにAを抱きとめた。
「A……！A！！」
「………」
Aは何も答えない。それならそれで良い気がした。この際胸を劈いた痛みにだって見えないフリをする。Aだ。誰がなんと言おうとこの子がAだ。
「……ゼロ、落ち着いて。もう大丈夫だよ」
Aは僕の背中を優しく叩きながらそう言った。
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紅猫 - 平手に目潰しタコ殴りｲｲｲ!!!が好きすぎて……wwほんっと面白いですね！ (2020年10月22日 23時) (
レス) id: be796dbe9a (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 縁談の話、まさかとは思ってたけど、そうきたか（初代怪盗KIDに応援要請したのか）と思った。今後の展開も楽しみに待ってます！ (2020年10月6日 1時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
紅猫 - まぁた主人公は新しい噂の正体に…w今度は学校の怪談ですかw あ、更新お疲れ様です。応援しています (2020年9月20日 21時) (レス) id: be796dbe9a (このIDを非表示/違反報告)
あいな(プロフ) - 本日、松田編を追加しました！ (2020年9月20日 19時) (レス) id: c3b1b53702 (このIDを非表示/違反報告)
あいな(プロフ) - 彩さん» 応援ありがとうございます！これからも頑張っていきます！ (2020年9月20日 19時) (レス) id: c3b1b53702 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいな | 作成日時：2020年9月8日 1時
