空振り三振悪党業《三振目》4 ページ45
__________消防隊員side__________
「ビルにいた人間は全員無事です。全員助かりました。」
社長に声を掛けられたことに訝しんでいたのも束の間、俺は耳を疑った。そんな俺の様子を知ってか知らずか、社員達が社長の言葉の続きを話す。
「ある少女が私達を助けてくれました！」
「えっ！？その子はどこへ！？」
「消防車のサイレンが近づいてきたら、誰にも名乗らずに走り去ってしまいました……。」
「自分の役割は果たした、ということか。なんと見事な……！」
唸るように部下が言う。まさにその通りだ。
ビルにもう人が残っていないのなら、今俺達がするべきは重傷者を救急車で病院まで連れて行くことだ。
社員達に案内されて向かった、重傷者が集められた場所でもまた俺たちは驚かされる事となった。
名も知らない、しかしあの少女に感銘を受けたという一種の仲間同士が、ただ目の前の命を助けるためにお互い協力し合っているのだ。
これには、ただただ驚くしかなかった。
__________Aside__________
「(わたしが悪党の流儀に反しなかったのは) みなさんのお陰です！助かりました！
本当にありがとう！！」
ふぅ、なんとかギリギリだったけれど最悪の事態にならなくって良かったわ！！これも手伝ってくれた人達のお陰ね！
もしかして、手伝ってくれた人達ってみんな悪党なのかな？同じ悪党仲間として助けてくれたのかな？
ここは悪党同士の繋がりを得るために連絡先を交換しようか、と手伝ってくれた人達に近寄ったその時。
――ウゥ〜〜……カンカンカンカン……
サイレンが鳴り響いた。いやタイミングが悪すぎる！！
サイレンが鳴っているにも関わらず、手伝ってくれた悪党達は動かない。まさか消防署内にも悪党特有の伝手があるっていうの！？
なんて抜かりない……！！いえ、だからこそ悪党なのか……！！わたしもまだまだね！！
少し悔しく思いながらも、先に失礼する事にした。新人としてあるまじき態度だから、何かあった時はお詫びも含めて絶対に協力をしよう。
エリーさんを回収し、ステルス全開で走りながらさっきの火事のことを思い起こす。
「(それにしても、通報してるなんて……抜け目のない人達ね)」
「(しっかし緊急時とはいえ、
来たのがパトカーだったらもっと厄介だったかもしれないからラッキーね)」
なんて考えながらその場を後にした。
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あいな(プロフ) - 彩さん» 嬉しいですぅ！！ありがとうございます！！ (2020年9月4日 11時) (
レス) id: ae58e04968 (このIDを非表示/違反報告)
あいな(プロフ) - ゆきなさん» ありがとうございます！！次の第4話から松田さんが出てきます！ (2020年9月4日 11時) (レス) id: ae58e04968 (このIDを非表示/違反報告)
彩 - 初めまして！このシリーズ大好きです(o^^o)更新楽しみにしてます！ (2020年8月31日 19時) (レス) id: bdfba8aa51 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - これからも無理せずに頑張ってください。楽しみにしてます！(推し(松田さん)達がはやく出てきて助かって欲しいですね！) (2020年7月31日 14時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あいな | 作成日時：2020年7月13日 3時
